女同士と秘密の会話[ニュート] ページ38
「アルビーはどうだ？」
「今は眠ってるよ、でも１番ひどいときより呼吸は落ち着いてる」
食事を摂りながらフライパンと話していると、ちょこちょことチャックが駆けてくるのが見えた。
「おいおい、絶対そうなると思ったんだ」
フライパンはそうぼやくと、駆けてくるチャックの前で仁王立ちする。
「おいチャック、早くから食べるから腹が減るんだろ」
「違うよ、僕はトーマスに持っていってあげようと思ったんだ。Aやニュートはアルビーのことで忙しいだろうから……」
そう言うチャックの手にはすでに毛布があった。
フライパンが僕を見るから目で窘めれば、彼はごめんよ、と潔く謝った。
「悪いな、まさかお前の口からそんな言葉が出るとは」
「偉いなチャック。君はもう立派な先輩だよ」
「そうだろニュート。フライパン、とびっきりおいしいのをちょうだい。トーマスは明日からランナーなんだからね」
「わかったよ、ちょっと待ってな」
フライパンはチャックの頭を撫でると冷蔵庫の扉を開けて準備し始めた。
僕はテレサ用に用意してもらったサンドイッチを持ってメッド・ジャックへ戻った。
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「ありがとう、ニュート。テレサ、ニュートは私が女の子だと知ってる。あとチャックとミンホ……そしてアルビーも」
戻ってきていきなりそんなことを言っていたら誰だって驚くと思う。
それに、僕がいない隙にそこまで打ち解けるものなのか。
驚く僕にAは、アルビーとミンホがメイズへ入ったときにトーマスと話したことも含めて、テレサとの話も全部僕に話してくれた。
──ニュートはこのグレードで１番信頼できる人だから大丈夫
まだ僕を信用できずにいたテレサに、Aが何げなく言ってくれたその言葉が嬉しかった。
「起こさないの？」
テレサが眠るAを見つめて呟く。
空きベッドで眠るクリントとジェフ、そしてA。
あれからクリントとジェフと交代し、また時間がきて交代したところだった。
テレサは眠れないのか、時折起きてはAと話してトイレまで一緒に行っていたけど。
話す相手がいなくて寂しいのだろうか。
「Aも今日はずっと動いてたからな」
眠るAを見る。
せめて夢の中だけでも、恐怖や不安など一切ない世界にいて欲しいと願った。
「すごくいい子だわ。女の子だと知られたら、守るのがとても大変そうね」
「すでに大変さ」
素直に出た本音に、テレサは初めて人間らしい表情を見せて笑った。
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灰(プロフ) - 蒼井さん» コメントありがとうございます！そうなんです、映画にはない彼らの日常が原作には散りばめられていて。面白いと言っていただけてホッとしました(^^)物語は複雑になるので、私なりの解釈も増えてしまうと思いますが、最後まで突き進んでいけるように頑張ります！(*^^*) (2019年3月26日 19時) (
レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - いつも読ませて頂いてます:-)映画と原作が混ざっていて、映画では知ることが出来なかった彼らの日常を見れているようで、すごく面白いです！シリーズものは大変だと思いますが、楽しみに待っています(^^) (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9bfcc6dade (このIDを非表示/違反報告)
灰(プロフ) - みーか。さん» コメントありがとうございます！楽しみにしているというお言葉をいただけてパワーが漲って参りました(*^^*)進み具合が遅くてわかりづらい部分もあると思いますが、一緒にメイズ・ランナーの世界に浸っていただけるようこれからも頑張ります！コメント嬉しかったです！ (2019年3月25日 21時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みーか。(プロフ) - 毎日楽しみにしています(*^^*)私もニュート推しなのでとても読んでいて楽しいです(*^.^*)頑張って下さい！ (2019年3月24日 19時) (レス) id: ed1f9d9f70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰 | 作成日時：2019年3月13日 21時
