検索窓
今日:17 hit、昨日:47 hit、合計:42,216 hit

彼女の寝言 ページ28

私は眠る彼女に付き添っていた。
容体は安定してるから交代で見よう、と今はクリントもジェフも遅い昼食を摂っている。

今頃ト−マス達はメイズの中だ、何もなく早く帰ってきて欲しい。ただ、それだけでよかった。


「……彼女はどうだ?」

その声に顔を上げれば、ニュートが彼女の様子を見に来てくれた。彼は彼女を挟んで私の前に腰掛ける。
私は首を横に振って、眠る彼女を見つめながら口を開いた。


「……ずっと、寝言を呟いてる」

「なんて?」

「よくわからないけど……聞き取れたのは“全ては変わる”という言葉と、トーマスの名前。彼の名を何度も呼んでる」

彼女からニュートへ視線を動かせば、彼は険しい表情で彼女を見る。
“全ては変わる”ニュアンスは少し違うかもしれないけど、私とトーマスが見た夢と同じ言葉。


「彼女とトーマスにはきっと繋がりがあると思う。彼女を見ていたトーマスの様子も、少し変だった」

「ああ、それは僕も感じたよ」

「……もしかしたら、私も関係してるかもしれない」

「君は彼女を知ってるか?」

「わからない……けど」

何かとても嫌な予感がする。



「A、代わるよ。どうだった?」

クリントが昼食を食べ終えて戻ってくる。


「変わりないよ、寝言も同じでよく眠ってるみたい」

「そっか、ありがとうな。腹減っただろ?君も何か摘まんでくるといい」

微笑むクリントに、私も微笑み返した。
少し遅れてジェフも戻ってくる。ジェフはニュートを見ると、あ、と呟いた。


「ニュート、ミンホ達が君を探してたよ。すぐに集会所へ来て欲しいって」

ジェフの言葉に私とニュートは顔を見合わせた。
ミンホ達がメイズから帰ってきたんだ。


「わかった。A、君も来てくれ」

「うん」

走り出すニュートに続いて、私もメッド・ジャックを出た。

集会所に着けば、既にトーマスとミンホ、それにフライパン、ウィンストン、ザートもいた。
彼らが一緒にメイズへ行ってくれてたんだ。

見たところ誰も怪我はしていないようで、私はホッと胸をなで下ろした。




「どうしてAまでいる?」

鋭く飛んできた声に目をやれば、ギャリーが腕組みしながら私を睨んでいた。
よく考えれば、ここに集まっているのは限られたキーパーだけだ。私は途端に居心地の悪さを感じた。



「怪我をしてる可能性を考慮し、僕が連れてきた」

「おいニュート、こいつらがメイズへ行ったのを知ってたのか?」


食い下がるギャリーに、私は息を呑んだ。

新しい発見と変化→←面白い、と[ザート]



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:メイズ・ランナー , 紅一点 , ニュート   
作品ジャンル:SF
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 蒼井さん» コメントありがとうございます!そうなんです、映画にはない彼らの日常が原作には散りばめられていて。面白いと言っていただけてホッとしました(^^)物語は複雑になるので、私なりの解釈も増えてしまうと思いますが、最後まで突き進んでいけるように頑張ります!(*^^*) (2019年3月26日 19時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - いつも読ませて頂いてます:-)映画と原作が混ざっていて、映画では知ることが出来なかった彼らの日常を見れているようで、すごく面白いです!シリーズものは大変だと思いますが、楽しみに待っています(^^) (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9bfcc6dade (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーか。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしているというお言葉をいただけてパワーが漲って参りました(*^^*)進み具合が遅くてわかりづらい部分もあると思いますが、一緒にメイズ・ランナーの世界に浸っていただけるようこれからも頑張ります!コメント嬉しかったです! (2019年3月25日 21時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みーか。(プロフ) - 毎日楽しみにしています(*^^*)私もニュート推しなのでとても読んでいて楽しいです(*^.^*)頑張って下さい! (2019年3月24日 19時) (レス) id: ed1f9d9f70 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年3月13日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。