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グリーバーって奴は[フライパン] ページ26

「……一緒に来て欲しい」

今まで、彼が俺らの前でこんな風に頭を下げることなんてあっただろうか。
俺と同じように声をかけられたウィンストンとザートも、困惑した顔でミンホを見ていた。

月に1回送り込まれていた新人が、3日後に女の子を送り込んできた。
しかもその彼女は不気味なメモつきだ。

確実に変わっている、ギャリーがギャザリングで言ったように疑いない形で。



「わかった、行くよ」

俺がそう言えば、隣にいたウィンストンらの視線が刺さった。
正直ビビっているが、ミンホがこんなに俺達に頼み込んでくれているのを無下にできない。

「僕も行く、怖いけどな」

ウィンストン。

「僕もだ」

そしてザートもフードを被って気合を入れる。
ミンホはそんな俺達を見て少し微笑むと、すぐに表情を切り替えて頷いた。
森に行けば、既にトーマスが待っていた。


「足りるか?」

ミンホの問いにトーマスは僕らを見ると、「よし、行こう」と走り出す。

覚悟を決めろよ、フライパン。
トーマス達の背に、俺は自分で自分を奮い立たせて走り出した。











メイズの中は恐々としていた、昼間だってのにまるで光が差し込まない。
1時間でもこの中にいたら気が狂ってしまいそうな陰鬱さだった。


「来い!こっちだ」

迷う素振りなど一切見せずに先陣を切るミンホの背中は、男の俺から見ても頼もしかった。
やがて曲がり角を曲がった俺達の前で、ミンホとトーマスが立ち止まる。

その先には何かがあった。


「……あれなのか?」

ウィンストンが呟く。ミンホとトーマスは互いに顔を見合わせると、何かの方へ歩き出す。


近づいてみれば、グリーバーらしき死体が壁に挟まれていた。

壁から飛び出る金属製の足、ぐちゃぐちゃになった肉のような断片と油のような体液がゆっくりとしたたり落ちている。
オーバーヒートしたエンジンと焦げ付いた肉の匂いが混じったよう臭気もした。


「気持ち悪い」

そう言ってザートが顔を顰める。
同意見だ、この死体は俺が今まで放った「気持ち悪い」の何百倍も上だけど。


「何かある」

呟くトーマスに、彼の後ろに立っていた俺もつられて前のめりになって壁の中を見る。

「死体以外に?」

半信半疑でそう聞きながら覗けば、確かに赤い小さなライトが点滅しているのが見えた。
するとミンホがグリーバーの死体に近づく。



「お、おいおい何するつもりだ?」


動揺するザートに構わず、ミンホは壁の中に手を突っ込んだ。

面白い、と[ザート]→←ただ、心配なだけ



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設定タグ:メイズ・ランナー , 紅一点 , ニュート   
作品ジャンル:SF
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(プロフ) - 蒼井さん» コメントありがとうございます!そうなんです、映画にはない彼らの日常が原作には散りばめられていて。面白いと言っていただけてホッとしました(^^)物語は複雑になるので、私なりの解釈も増えてしまうと思いますが、最後まで突き進んでいけるように頑張ります!(*^^*) (2019年3月26日 19時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - いつも読ませて頂いてます:-)映画と原作が混ざっていて、映画では知ることが出来なかった彼らの日常を見れているようで、すごく面白いです!シリーズものは大変だと思いますが、楽しみに待っています(^^) (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9bfcc6dade (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーか。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしているというお言葉をいただけてパワーが漲って参りました(*^^*)進み具合が遅くてわかりづらい部分もあると思いますが、一緒にメイズ・ランナーの世界に浸っていただけるようこれからも頑張ります!コメント嬉しかったです! (2019年3月25日 21時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みーか。(プロフ) - 毎日楽しみにしています(*^^*)私もニュート推しなのでとても読んでいて楽しいです(*^.^*)頑張って下さい! (2019年3月24日 19時) (レス) id: ed1f9d9f70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年3月13日 21時

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