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ギャザリング ページ20

「状況は変わってる。それは疑いない」

集まった皆を見回しながら指揮を執ったのは、ニュートではなくギャリーだった。
原則としてキーパーだけが発言を許される、私とチャックは他の皆と一緒に座っていた。


「ベンが昼間に刺され、アルビーも。そしてこのグリーニーは勝手に──」

ギャリーは腕組みしたまま振り返ると、トーマスをちらっと見る。


「メイズに入った。これは明らかなルール違反だ」

「ああ、でもアルビーの命を救った」

フライパンが熱くなってるギャリーを宥めるように発言する。


「本当か?俺達は3年間グリーバーと共存してきたが、こいつが殺しちまった」

ギャリーはそう言い放つとトーマスを指差した。

「僕らにどうしろと?」

ニュートがギャリーに問う。


「彼を罰する」

ギャリーが言った瞬間、チャックやクリントたちを筆頭に非難する声が上がる。

ギャリーのトーマスに対する怒りは、今回の件だけではない気がした。
ついに尻尾を掴んでやったぞ、と言いたげな誇らしさすら感じる。



「ミンホ、」

ざわつくこの場を収めたのは、ニュートの声だった。
私の位置からだと、柱に背を預ける彼の背中しか見えない。

でも……ニュートの声を聞くだけで大丈夫だ、そう思えた。


「一緒だったろ。君はどう思う?」

このギャザリングに来てから、ひと言も発さなかったミンホが静かに口を開く。
ついさっきまで点滴を打っていた体調も気にしつつ、私もミンホを見つめた。


「──今まで、俺達の中でグリーバーを殺した奴はいない。俺が逃げてる間、奴は残ってアルビーを守った。勇敢なのか、馬鹿なのかわからないが──」

ミンホの言葉に周りからくすくすと失笑が漏れる。


「こんな奴がもっと欲しい──ランナーにしよう」

ミンホの言葉に一斉に皆が口を開いた。


「おいミンホ、早まるな」

フライパンの声が飛ぶ。
チャックは上気した頬で必死にトーマスの名をコールする。

ふと、身を乗り出して周りの反応を見るニュートの姿がやっと見えた。
彼は微笑んでいた、この状況を望んでいたように。


場が騒然とする中、人一倍声を荒げたのはギャリーだった。


「奴を英雄視したいならすればいい!だがメイズについてわかるのは、俺達は決して──」


ギャリーが言い終わるより前に、外からボックスが上昇するときの機械音が聞こえた。
混乱の中、私たちは急いでボックスへ向かった。




ギャリーとニュートが扉を開け、ニュートが入る。その中には──

僕を知る彼女[トーマス]→←二分する[ニュート]



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設定タグ:メイズ・ランナー , 紅一点 , ニュート   
作品ジャンル:SF
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(プロフ) - 蒼井さん» コメントありがとうございます!そうなんです、映画にはない彼らの日常が原作には散りばめられていて。面白いと言っていただけてホッとしました(^^)物語は複雑になるので、私なりの解釈も増えてしまうと思いますが、最後まで突き進んでいけるように頑張ります!(*^^*) (2019年3月26日 19時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井(プロフ) - いつも読ませて頂いてます:-)映画と原作が混ざっていて、映画では知ることが出来なかった彼らの日常を見れているようで、すごく面白いです!シリーズものは大変だと思いますが、楽しみに待っています(^^) (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9bfcc6dade (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みーか。さん» コメントありがとうございます!楽しみにしているというお言葉をいただけてパワーが漲って参りました(*^^*)進み具合が遅くてわかりづらい部分もあると思いますが、一緒にメイズ・ランナーの世界に浸っていただけるようこれからも頑張ります!コメント嬉しかったです! (2019年3月25日 21時) (レス) id: 29fcd6d8e4 (このIDを非表示/違反報告)
みーか。(プロフ) - 毎日楽しみにしています(*^^*)私もニュート推しなのでとても読んでいて楽しいです(*^.^*)頑張って下さい! (2019年3月24日 19時) (レス) id: ed1f9d9f70 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年3月13日 21時

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