あの夏の日 (ページ32)

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雅said ページ32

道はそんなに混んでないけど信号で止まったりして元気な俺らには気にならないような揺れがあったみたい。

元々乗り物が得意じゃないニノにはこたえたみたいで。

和「……っう…。」

口に手を当てたと思ったらえずきだしてしまった。

「気持ち悪い！？リーダー、袋！」

ゴミ箱の袋をさっと取ってくれた。

少し体を起こしてあげて口元に袋をあてる。

「ごほごほ、…うぇ…えっ…げほげほげほ…ごほごほっ、うぅーはぁ、はぁ…っ…。」

ニノの後ろから袋を当ててるから表情は見えないけど浅い息を吐きながら何度も力が入る。

智「酔っちゃったかな～。」

マネージャーは少し窓を開ける。

マ「どこかに止まりましょうか？」

バックミラーでこちらを確認してくれる。

「ニノ止まる？」

ニノは答える余裕がないみたいで空えずきが止まったと思ったら咳して、その咳で誘発されてまたえずいてを繰り返してる。

昼もほとんど食べてないから吐くものもなくて胃液しか出てこない。

止まっても良くならなそう…。

智「このまま行こうか。止まっても良くなるかわからないし。早く病院連れてってあげよ。」

リーダーも同じ考えだったみたい。

「ニノごめん。このまま行くからもう少し頑張って。」