世界を歩く【HUNTER×HUNTER】

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sideキルア




親父に挨拶が終わると、俺たちの方を向くA。




「ごめんね、キルア、カルト。ちゃんとお話出来なくて」




「A姉様、次いつ来る……？」





カルトが少し涙目で、Aの服の裾を掴みながら言う。



俺たちはほんの少ししかAと話してないのに、こんなに懐いているとは。



Aもびっくりしたのか、一瞬目を見開かせたけど、すぐに優しく微笑んで、




「またすぐに会えるよ、きっと。
その時はたくさんお話しようね」




と言ってカルトの頭を撫でた。



カルトはその言葉を聞くと安心したのか、気持ちよさそうにAに撫でられている。




その様子を俺はじっと見ていると、Aはちょいちょいと手招きして俺を呼んだ。




素直に側までいくと、俺の頭も撫でるA。





「……なっ」



「キルアも、またね」



「……………おう」






照れ臭くて可愛げのない言葉が口から出てしまったけど、Aはそんな事気にせず、笑ってくれる。




兄貴が、何でAに惚れたのか分かった気がした。






「(……落ち着くんだ。Aといると)」





側にいると暖かい気持ちになって、自然体でいられる。



そんな居場所、いままで無かったから、余計に暖かい気持ちになる。






「A、そろそろいかないと」



「ん、そうだね。
じゃあね、皆。シルバさん、お世話になりました」




「ああ」



「またね、A姉様！」



「………じゃあな」






最後にAはまた優しく笑うと、兄貴に抱えられ、すぐにその姿は見えなくなってしまった。

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