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side貴方
飛行船に揺られて何分か過ぎた頃。
ククルーマウンテンと呼ばれる所に私は来ていた。
そこはイルミの家らしく、二人で"試しの門"という門の前にいる。
試しの門はとても頑丈そうで、小さい門から大きい門まである。
イルミは、この門開けてみてと私に言ったけど、正直開けれる気がしない……。
「イ、イルミ…。この門すごく重たそうだけど…」
「大丈夫大丈夫」
「えぇ……。じゃあ、やってみるけど…」
多分無理だと思うよ?と言ってから、腕に最大の力を込めて門を押す。
………と。
ギィィィィ……
まさかの全開。
あまりにも勢いよく開いてしまったせいで、こけかけてしまった。
「わっ!びっくりした……!
思ったより軽かったんだね」
「うん、びっくり。
全開するには片方の腕だけでも128tの力がいるんだけどね」
「……………え?」
イルミの言葉に耳を疑う。
か、片方で128t……?
そ、そんなにこの門重いの…?
もう一度門を見るけど、やっぱり門は全開している。
わ、私の腕力一体どうしちゃったの……。
自分の怪力に驚いていると、後ろから気配がした。
くるっと後ろを向くとそこには犬…らしき大きな動物が私の事をじっと見ている。
「A、こいつはペットのミケ。
安心して。門から入ってきた奴は食べないから」
え、この子人を食べるの…?
全然安心出来ないイルミの言葉に驚いていると、ミケが大きな頭を私にすり寄せてきた。
「え⁉」
「わ、初めて見た。
ミケが初対面の人に懐いてるの」
これ懐いてるの⁉
……でも、ちょっとかわいい。
恐る恐るミケの頭を撫でてあげると、ミケは思いっきり尻尾を振った。
「すごい喜んでるねミケ」
「び、びっくりした。
素直でかわいい子なんだね」
「Aにだけだと思うけど」
ボソッと呟いたイルミの言葉は、私の耳には入らなかった。
ひとしきりミケとじゃれた後、私はまたイルミに担がれ、山を登っていく。
「イルミ…、私自分で走れるよ…?」
「いいの。俺がこうしたいからしてるだけ」
「……?」
よく分からないけど、イルミが良いって言ってるからいいか…。
どんどん山を登っていくと、大きな家が見えた。
「着いた。ここが俺の家」
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明里香(プロフ) - 34話にも誤字がありました。「準備をしなくてわ」ではなく、「準備をしなくては」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 25話にも誤字がありました。「等の本人」ではなく、「当の本人」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 19話にも誤字がありました。「以外と」ではなく、「意外と」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「近ずくな」ではなく、「近づくな」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ10で、「中には数人人がいて」ではなく「中には数人の人がいて」だと思います。 (2018年6月1日 6時) (レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年4月6日 22時