27 ページ29
side貴方
パーティー会場の中へと入ると、凄いたくさんの人がいた。
「わ、凄い……」
思わずそんな声がこぼれる。
綺麗に着飾った女の人や、ビシッとスーツを着た男の人達がたくさんいて、少し気後れしてしまう。
「A、そう気を張るな。いつも通りでいい」
団長はそう言ってくれるけど、いつも通りに何てとても無理だ。
どうしても、そわそわしてしまう。
何とか心を静めようと、深く深呼吸する。
………よし、ちょっとだけ落ち着いた。
「団長、主催者さん今別の人とお話しているけど、どうする？」
「別に主催者は、この会場から出さなければどうでもいい。
主催者の部屋である最上階にさえ行かさなければな」
「そうなんだ。じゃあ私たち、何してればいいの？」
そう団長に質問を投げかけた時、後ろから「クロロ」と、団長の名前を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとそこには、黒髪ロングの猫目な男の人が立っていた。
「イルミ。お前も仕事か？」
「そうだけど、何、クロロも？」
「ああ」
「ふーん…」
団長と猫目さんが話しているのを黙って聞いていると、ふと猫目さんの視線が私に移った。
「？こんな子いたっけ」
「最近入ったんだ。名前はA」
私はぺこっと頭を下げる。
猫目さんは少しの間、じっと私を見ると、
「………イルミ。よろしく」
と、短く自己紹介してくれた。
「よ、よろしく…お願いします」
「敬語」
「え？」
「敬語いらない」
「あ、う…うん」
イルミはぶっきらぼうにそう告げる。
いいのかな…って思ったけど、いいって言ってくれているのでお言葉に甘えよう。
「……珍しいな、イルミ。
お前から挨拶するなんて」
「…別に。
俺から挨拶したら悪いの？」
「いや？別に悪い事はないんだが…。
珍しい事もあるもんだなってな」
団長はニヤニヤしながら言う。
イルミはそんな団長を見て軽く眉間に皺を寄せて睨んでいる。
………何か微妙に空気悪いんだけど。
「だ、団長！私ちょっと向こう行ってくるね」
この空気から逃げ出したかった私は、早口にそう言うと逃げようとした。
………………だけど。
「待って」
何故かイルミに腕を掴まれて、逃走失敗。
………………え、何で。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明里香(プロフ) - 34話にも誤字がありました。「準備をしなくてわ」ではなく、「準備をしなくては」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (
レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 25話にも誤字がありました。「等の本人」ではなく、「当の本人」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 19話にも誤字がありました。「以外と」ではなく、「意外と」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「近ずくな」ではなく、「近づくな」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ10で、「中には数人人がいて」ではなく「中には数人の人がいて」だと思います。 (2018年6月1日 6時) (レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かっぱの子
| 作成日時：2017年4月6日 22時
