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sideクロロ


Aの首筋にナイフを当てる。


通常の人間ならここでおびえるが、やはり彼女は普通と少し違うようだ。



彼女はふぅとため息をつくと、ナイフの刃をガシッと掴み粉砕した。



「なっ……」


「私に脅しは効きませんよ。だいたい、何でそこまでして私を入れたいんですか」



彼女は俺の方を向き、冷ややかな視線を送る。



本当に面白い女だ。


理由か…………、そうだな…。




「面白そうだからだ」



「…………………はい?」




次は何を言ってるのこいつみたいな目で見てくる。


面白いな、目で話せるのか。




またもや無言が続くと、彼女がいきなりぷっと吹き出した。



「はははっ、何ですかその理由。
そんな理由で盗賊グループに誘うんですか?」



くすくすと彼女は笑っている。

その笑いは馬鹿にしてとかではなく、ただ純粋な笑いだ。



「(その顔………悪くない)」



何故笑われているのかよく分からないが、その笑顔を見ているのは気分が良かった。


ひとしきり笑った後彼女は、ふっと笑い言葉を発する。




「面白い団長さんですね。ですが、やっぱりすみません。私は殺しとかはしたくないんです」


「ならば、しなければいい」


「え…?」




彼女の言葉に俺は返す。


「殺さなくても宝は奪える。実際お前は指輪を盗んだ時、1人も殺さなかったのだろう?
お前のやり方でいい。だから入れ」



「……盗みもしたくないんですってば」



「安心しろ。盗みだけが俺たちのする事じゃない。
お前はサポートにまわってくれればいい」




そこまで言うと彼女は黙ってしまう。

ふむ、もう少しか。



「そんなの他の団員の方が認めないと思いますけど」


「そんなことはない。なあ、シャル」



俺は近くにいたシャルに話題をふる。

シャルは俺が彼女を探せと命じた時から、俺が彼女を仲間にしたがってると気づいていたみたいだ。



「そうだね。俺も基本は情報の収集と処理だし。
戦闘要員じゃなくてもいいと思うよ」


「だそうだ。これで断る理由は無いはずだが?」




もう言い返すことが無いのだろう。

彼女はぐぬぬぬ…とうなっている。



「何を迷てるね。お前の好きにしていいと言てるよ」


珍しくフェイタンまでもが肯定する。


これは勝機ありだな。


やがて彼女は観念したのか、小さな声で



「……………分かりました」


と言った。

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明里香(プロフ) - 34話にも誤字がありました。「準備をしなくてわ」ではなく、「準備をしなくては」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 25話にも誤字がありました。「等の本人」ではなく、「当の本人」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 19話にも誤字がありました。「以外と」ではなく、「意外と」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 15話に誤字がありました。「近ずくな」ではなく、「近づくな」です。 (2020年8月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ10で、「中には数人人がいて」ではなく「中には数人の人がいて」だと思います。 (2018年6月1日 6時) (レス) id: 288d462176 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2017年4月6日 22時

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