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17.初心 ページ17

『おはよう、真希ちゃん』

「おう。体はもう大丈夫か」

『うん、硝子さんに全部治してもらってるし。昨日はごめんね、ありがとう』


傷だらけで帰ってきた翌日、Aはいつも通りの笑顔で教室に入ってきた。

その様子に安心すると同時に、安堵の声がAに伝わってしまうのは少し照れくさいので心の声を彼女から隠す。


「…で、昨日は棘に慰められてたのかよ」

『へ?』

「あの後棘の部屋に連れ込まれてから、戻ってこなかっただろ」

『…えっと…』


私が尋ねた途端、気恥ずかしそうに目を逸らしたA。

その反応に思わず口角が上がり、少し揶揄ってやろうと口を開いた。


「んだよ、なんかやましい事でもあんのか?」

『…真希ちゃんが意地悪だ…』

「棘に手出されたか?」

『…手、出されたって…どういうことから言うのかな』

「は?」


狼狽える姿を見て面白がりたかったのに、Aはそんなことを言い出した。


『手を繋いだり、ハグしたり、恋人同士ですることっていっぱいあるでしょ?“手を出された”ってどこからがそうなのかなって…』

「知らねぇけど…手、出されたいんか?」

『!?』


一瞬にして、Aの顔が赤く染まる。

予想とは違ったけれど、これはこれで面白い。


『ちが…う、訳じゃないけど…!もし、あの…』

「おはよー」

「高菜ー」

『びゃぁ!』


話の途中でパンダと棘の声が乱入してくる。

2人の登場に驚いたのか、Aは奇声を上げながら額を机に打ち付けていた。


「なんだ?朝から元気だな」

「ツナマヨ?!」


怪訝そうな目でAを見るパンダと、彼女の額を心配して駆け寄る棘。


「すじこ?」


棘に顔を覗き込まれたAは、さっきまでの会話を思い出したのかまた顔を赤くさせ、突然立ち上がる。


『…お、お手洗いに行ってきます!!』


そう言って教室を飛び出していく。

Aの様子がおかしいことを感じたのか、棘は恨めしそうに私を見た。


「私は何も言ってねぇよ」

「明太子〜?」

「ホントだって。どっちかって言うと、あいつの方から変なこと言い出したしな」

「なんだそれ、面白そう」

「…あいつ、初心だなぁ」


すぐに赤面する彼女の姿を思い出し、思わず笑みが溢れた。

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設定タグ:呪術廻戦 , 狗巻棘   
作品ジャンル:恋愛
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saki - 棘くんの呪いが出てくるとは…!伏線回収(で合ってるかわかんないですが)素晴らしすぎます!神作品ありがとうございます! (11月4日 23時) (レス) @page31 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
白狼(プロフ) - 続きが凄い気になる。ネタを考えるのと投稿頑張ってください!応援してます! (2022年4月4日 0時) (レス) id: 62f0033d85 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - ネイジェさん» コメントありがとうございます‼︎上手くお話がまとまらず苦戦していますが、楽しんでいただければ嬉しいです*これからもよろしくお願いします* (2022年1月19日 16時) (レス) id: 55d308068d (このIDを非表示/違反報告)
ネイジェ - 続き、続きが気になる・・・!とっても私の好みな作品です!神ですか!?神なんですか!?更新頑張って下さい!応援してます!!! (2022年1月18日 14時) (レス) @page29 id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - 姫宮 玲雅さん» コメントありがとうございます*ゆっくり頑張ります‼︎ (2022年1月16日 11時) (レス) id: 55d308068d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋波 | 作成日時:2022年1月4日 15時

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