38.心の中 ページ39
『…ずっと黙ってたこと、嫌がられるかと思ったのに。やっぱり優しいね』
熱くなった頬を押さえる僕を見て、Aはそう呟いた。
『呪力で脳を守ったら、私には伝わって来なくなるんだって。…聞かれるのが嫌だったら、そうしておいて欲しいな。私にはどうにも出来ないの』
Aの言葉に、少し迷う。
聞かれてしまうのは恥ずかしいけれど、もう今更隠しても意味がない。
それに、話せない僕は心の声を聞いてもらった方が、彼女も話しやすいだろう。
「…おかか」
首を振ると、Aは『ありがとう』と微笑んだ。
『…狗巻くん達は、私が出会った中で一番心のキレイな人達だったの』
少しずつ、Aが昔の話を始める。
周りの人達は心の中では毒を吐いてばかりで、なかなか友人が出来なかったこと。
ようやく出来た友人は、気が弱く裏で虐められていて。
心の声でそのことに気付いていたけれど、虐められていた本人は何も言わないから助けて良いのかも分からず。
ようやく助けようと勇気を出したときには、彼女はもうボロボロで。
___分かってるなら、なんで助けてくれないの…
そんな言葉を残し、たったひとりの友人は何処かへ行ってしまったこと。
『小学生の頃、心が読めることを知られて気持ち悪がられて…それからは、言うのが怖かったの。狗巻くん達にも、そのときの友達にも』
『あのときの友達みたいに、みんなが何処かへ行っちゃうのが怖かったの。…黙ってて、本当にごめんなさい』
Aは、今にも泣きそうな声で言う。
そんなことでは怒れないし、Aは何も悪くない。
そう考えていることは、口にしなくても伝わっている筈だ。
Aの目を見ると、彼女は涙を目に溜めたまま『ありがとう』と呟いた。
『…もう一つ、狗巻くんに言わなきゃいけないことがあるの』
彼女が微笑む。
『私もね、狗巻くんが好きだよ』
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saki - 告白の仕方がこう…どっちも呪いって言うのが良すぎる！硝子さん出てくるのも好き… (11月4日 0時) (
レス) @page43 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
佳日 - 初めまして！緋波さんの描く狗巻先輩とヒロインがすごく可愛らしくて一気に最新話まで読んでしまいました！ずっときゅんきゅんしています！素敵な作品をありがとうございます！ (2021年4月11日 12時) (レス) id: d082233f53 (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 狗巻先輩かっこいい〜〜〜！あの整った顔立ち、さらっさらの髪の毛！素敵な声〜〜〜!!凄く好きです！好きすぎて丸一日狗巻先輩のことを考えています！！大大大大ファンです！続きを楽しみに待ってます！ (2021年3月19日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - #すずめさん» ありがとうございます~!*これからも頑張ります* (2021年3月6日 19時) (レス) id: c96b915781 (このIDを非表示/違反報告)
#すずめ(プロフ) - 狗巻先輩可愛い!これからも更新頑張って下さい!! (2021年3月6日 8時) (レス) id: d788bf59a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋波 | 作成日時：2021年2月21日 0時
