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33.悩み ページ34

「Aはまた家入さんとこか?」


訓練終わりにくつろいでいると、飲み物を持って来た真希が言った。


「しゃけ」

「懐いてるよなぁ」

「最近ずっとだね」


パンダと憂太の言う通り、Aは最近家入さんのいる医務室に入り浸っている。

怪我を治してもらいに行くときもあれば、家入さんとただ話をしに行くだけのときも。


「…寂しいんか?棘」

「?!お、おかか!」


呆然としている僕に、真希がニヤニヤと笑いながら尋ねてくる。

咄嗟に首を振ったが、実は真希の言った通りだった。


前と比べて、Aと話す時間が少なくなった。

避けられているのかとも思ったけれど、中々話せていないのは僕以外のみんなも同じだ。


「棘はいつ告んだよ」

「高菜?」

「Aに告白」

「…しゃけ?!!」


突然そんなことを言われて、僕はまた大きく首を横に振った。


僕は確かにAが好きだけど、想いを伝えようと思ったことはない。

Aは優しいから、きっと告白なんてされれば彼女は必要以上に悩んでしまう。

どうやって断ろう、なんて無駄なことを考えさせてしまうのはやめたい。

それに…


「まぁ俺達、いつまで生きてられるのか分からんもんな」


ちょうど考えていたことが、パンダの口から溢れる。


呪術師は、いつも命を危険に晒して生きている。

もしも想いを伝えて、結ばれることがあったとしても、彼女を守って幸せにすることは出来ないかもしれない。


「…なんて顔してんだよ、棘」


思い悩む僕を励ましてくれているのか、真希が肩を叩いてきた。


「でも、いつまで生きられるか分からないからこそ、大切な人ともっと一緒に過ごしたいって思ってる人もいるんじゃない?」


憂太が微笑みながら言う。

まるで僕のことを指しているかのように。


「…しゃけ」


小さく頷いて呟く。


想いを伝えようとか、そんな大層な決心をした訳じゃない。

でも、とにかく早くAに会いたい。


「…高菜!」


木陰に座るみんなにそれだけ言って、僕はその場を立ち去った。

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saki - 告白の仕方がこう…どっちも呪いって言うのが良すぎる!硝子さん出てくるのも好き… (11月4日 0時) (レス) @page43 id: 15ea9621b8 (このIDを非表示/違反報告)
佳日 - 初めまして!緋波さんの描く狗巻先輩とヒロインがすごく可愛らしくて一気に最新話まで読んでしまいました!ずっときゅんきゅんしています!素敵な作品をありがとうございます! (2021年4月11日 12時) (レス) id: d082233f53 (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 狗巻先輩かっこいい〜〜〜!あの整った顔立ち、さらっさらの髪の毛!素敵な声〜〜〜!!凄く好きです!好きすぎて丸一日狗巻先輩のことを考えています!!大大大大ファンです!続きを楽しみに待ってます! (2021年3月19日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
緋波(プロフ) - #すずめさん» ありがとうございます~!*これからも頑張ります* (2021年3月6日 19時) (レス) id: c96b915781 (このIDを非表示/違反報告)
#すずめ(プロフ) - 狗巻先輩可愛い!これからも更新頑張って下さい!! (2021年3月6日 8時) (レス) id: d788bf59a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋波 | 作成日時:2021年2月21日 0時

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