28 Y ページ28
俺はAに電話できなかった。
メモを見ながらため息がでる。
Aはいつもそうだ。
先に謝る。
でも……
何も 食事を処分しなくたって いいだろう。
俺が食べて帰ってきたってことの嫌味かよ。
後味の悪さや……
後ろめたさや……
男のプライド……
が 残ってしまい……
それから日にちばかり経ち……
だけど Aに電話できないでいる。
俺は最近思う。
結婚ってなんだろ？
結婚して幸せになるんじゃないのか？
今の俺はどうだ。
好きで好きでたまらないAと やっとの思いで結婚したのに……
今の俺は幸せか？
Aは幸せなのか？
時間があり ボッーとする時間があれば 考えてしまう。
Aといえば やっぱり電話をかけてこないし 時々 マンションにきて家事をやってるみたいだ。
食事も作ってくれているが 俺にも予定があり 食事をして帰ることが多い。
時間が経ったおかずを俺も処分しておけばいいものをそのままにしてしまい……
Aがまた新しく作り直して……
Aと1ヶ月以上会ってないし……
連絡もとっていない。
俺は寂しくなっている。
Aはどうなんだろう？
俺に会いたいんだろうか？……
こんな生活に不満はないんだろうか？
俺はAに会いたいが……
俺のしょうもないプライドが邪魔をする。
そんな俺に助け船をだしてくれたのが両親だった。
結婚して1ヶ月以上経つから 新居のことや俺達の様子を見に来るって。
お祖父さんも来るって。
既に 母がAに連絡しているらしい。
そんな大事なことも Aは俺に連絡してこない。
俺は少しイラッとした。
当日 俺が空港まで迎えに行き Aはマンションで色々準備している。
Aの料理を久しぶりに食べた。
両親やお祖父さんも喜んでいる。
食事が終わってみんなでテレビを見ていたら コマーシャルで流れた映画を見たいと言いだした。
まだ 最終に間に合う。
でも お祖父さんは行かないと。
お祖父さんを1人残すのは不安があり……
Aが残ることになった。
しかし 両親達のホント目的は別にあったようで。
俺と両親は映画を見たあと 個室完備のカフェに入り 余韻を楽しんでいると
Y父「お前達どうなんだ？ 結婚して2ヶ月くらいになるだろ？」
「えっ？ どうって？」
Y父「ジヘも もうすぐ子どもが生まれるし……お前達はどうなんだ？」
「どうって……こればっかりは……」
言えない。
結婚式前から やってないって。
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作者名：ここ
| 作成日時：2018年5月3日 15時
