仮が本物になるまで。2 (ページ23)

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「なんで見るの？ヤダ！ホントヤダ！」

CM「なんでって……部屋に行ったら……だしたまま寝てるし……第一にウォルが危なかったし……ウォルを落としてたらどうするんだよ？」

「………………わかってる。だけど眠かったし…食事くらい……自分で食べでも……いいじゃん。」

CM「ダメだ！……俺は家で食べる時は一緒に食べるって決めてるんだ。」

「…………そんなぁ……」

CM「食事のこととお前がだしっぱなしで寝たのとどう関係があるんだ？」

「……直接的には関係ないけど…1人で食べてくれれば……私も恥ずかしい思いをしなくて済んだと思う。」

CM「それは違う。どの道だしっぱなしで寝るから一緒だよ。」

「……………………」

CM「そんな気にしなくてもいいさ。特別おかしいわけでもないから……ウォルが母乳飲めればいいんだから。」

「………………そんな……酷いし。…………誰と比べて……おかしくないって言ってるの？」

CM「なんで酷いんだよ？それに誰と比べたって言ってんだ！……だいたい母乳なんて赤ん坊が飲めればいいんだよ。」

「比べてるようないい方してるじゃん。……私だってわかってるって……スタイルがいいわけじゃないし……モデルの様に華やかでもないって……でも……私だって女性だし……」

CM「……お前……何言ってんだよ。今は俺達はウォルを育てることが大切なんだ。お前は母親なんだぞ。なのに……女をだしてどうするんだ？」

「だしてない。……前にも……ユノさんの時にもそんなこと言ってたし……わかんないの？」

CM「何がだよ？」

「…………あなたの周りにはモデルや女優や歌手やら綺麗な人だらけじゃない！色気とか女を常にだしてる人ばっかりじゃない。そんな人達と私を比べないでほしい。」

CM「お前！俺が働いている業界をバカにしてるのか？！」

「…………………………」

CM「俺達がどんな思いでダンスや芝居やレッスンをしてると思ってんだ！皆んながデビューしたり TOPをとれるように頑張ってるんだ。色気をだしたり愛想笑いの１つもするんだよ。」

「だったらその人達と私を比べないでよ。」

CM「だから比べてないだろ？だいたい努力してないお前と比べようがないだろ！」

「私が努力してないってどうして言えるんですか？」

CM「くだらないこと言ってるからだよ。」

「くだらないって…………もういい……」

私は涙を隠して自分の部屋に行った。

こんな人とは一緒に暮らせない。