希望と絶望は紙一重。 ページ33
･
「ギャッ」
男が悲鳴を上げるのと同時に押さえつけられていた足を振り上げて相手の足を巻き落とし、地面に膝をつかせる。
もう一発顔に蹴りを入れ、その男を飛び越えて他の二人に向きあった。
友達二人を押し倒し服を脱がせようとしていた男は慌てて顔を上げた。
さっと間合いを詰めて向こうが何かする前に裏拳を鼻に叩き込む。
顔を抑えて倒れた男の後ろからもう一人が殴りかかってきたが、それを顔を振って交わす。
耳の隣を通っていった腕を掴み、自分の首を支点に手首を思い切りひねった。
ボキリ。
鈍い音が耳元で聞こえ、目の前にあった男の顔が痛みで歪む。
手をぱっと離すと、痛みに苦しみながら地面に倒れて暴れ回る。関節を外しただけだから折れてはいないだろう。
「A！」
「こ、こわかった…」
へたり込んでいる二人を引っ張って立たせ、走って逃げようとしたとき。
『…！？』
ゾワ、と全身の毛がよだつような心地がした。
頭が割れるように痛くなり、視界がぐるりと反転する。
『はっ…！？』
「A！？」
吐き気がひどい。寒い。鳥肌が止まらない。
感覚神経のすべてが混乱を起こしている。動けない。
ガッと鳩尾に痛みが走る。
くらむ視界をなんとか戻して見上げると、さっき殴り飛ばした男の一人が私を蹴っていた。二人の悲鳴が聞こえる。
「このクソガキ！」
完全に激昂した男がこちらを見下ろしているが、それに恐怖を感じている場合ではなかった。
何かがこちらに向かっている。この寒気は、吐き気は、恐怖は、アレだ。
『…に、げて…！』
「あぁ！？何が逃げてだ！おとなしくしてれば優しくしてやろうと思ってたけどやめだ、お前も友達も手ひどく」
最後まで言い終わる前に、男が大きく吹き飛ばされた。
壁に叩きつけられ、コンクリートが割れて大きな音を立てる。
痛む頭をなんとか引っ張り起こして、息が止まりそうになった。
「」
扉から覗いていたのは、体調が二mは越えようかという大きなオバケだった。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月15日 16時) (
レス) @page3 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。＿ねむみん。 - 凄く面白いしいい作品でした~!!作者さんってもしかして最強!?これからも応援してます!ステキな作品ありがとうございました!! (11月19日 11時) (レス) @page45 id: 03ba19f866 (このIDを非表示/違反報告)
かけたま - こんなにも面白い作品を生み出すあなたは(^^)最強か？ これからも応援させて頂きます。 頑張って！！ (2021年12月12日 0時) (レス) id: a9aad67263 (このIDを非表示/違反報告)
猫餅 - 体長が体調になっています。>"< (2021年8月11日 20時) (レス) id: 3a7b856aca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬ(プロフ) - 素敵な作品私ありがとうございました。とても面白かったです！ (2021年4月26日 11時) (レス) id: 7168c245e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宙
| 作成日時：2020年12月31日 14時
