すれ違い。 ページ21
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夏真っ盛りの暑い道の中、真っ黒な制服を着たお兄ちゃんのあとをついていく。お兄ちゃんは終始無言で、少し不機嫌なようにも見える。
そういえばどこに行くのか聞いてないや。今なら、無視されずに答えてくれるだろうか。
『お、お兄ちゃん』
「何でしょう」
『今日はどこに行くんですか』
「私の学校です」
『なるほど、お兄ちゃんの学校…え、お兄ちゃんの学校！？』
声が大きいですよ、と注意されて慌てて口をふさぐ。
でも急になんで？お兄ちゃんの学校、特殊だから生徒以外の人は入れないって言ってた気が…
『いいんですか、私が行っても』
「ちゃんと許可は取ってありますから」
『そ、そうですか…』
こちらを見ずに素っ気ない言葉だけ返すお兄ちゃん。
彼氏ができた、といったときのあの長文メッセージは何だったのかと思うくらい淡白な返し。少し寂しい気持ちにはなるものの、こうして会話してくれるようになったのは彼氏効果なのかも。
『(悟くんに返事…)』
傑くんの謎掛けのようなアドバイスを元手に色々考えてみたけど、やっぱりよくわからなかった。というか女の子が隣にいる悟くんが想像できなかった。
試しに硝子ちゃんで考えてみたけどやっぱりなんとも思わなかったし。
私やっぱり悟くんの事好きじゃないのかな、と悩む。
悟くんは私のことを好いてくれているのに、私は悟くんのことが好きじゃない。
それはなんだか嫌だったし、かと言って好きでもないのに付き合うのもなんだか失礼な気がしてならない。
恋愛は、存外難しい。
みんなが憧れるのもこの難しさ故なんだろうか。
「何をもんもんと考え込んでいるんです？」
『！』
ぱっと顔を上げる。私より少し背の高いお兄ちゃんが私の顔を見下ろしていた。少し眉間にシワが寄っている。呼びかけられていたのに気づいていなかったから怒っているのかも。
『い、いえ…なんでもないです、ごめんなさい』
「…、…そうですか」
お兄ちゃんは少し悲しげな顔をしたように見えた。
『…？』
なんで悲しそうなのかはわからなかったけど、とりあえずお兄ちゃんが乗り込んだ車の隣にそっと腰掛けた。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月15日 16時) (
レス) @page3 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
眠民。＿ねむみん。 - 凄く面白いしいい作品でした~!!作者さんってもしかして最強!?これからも応援してます!ステキな作品ありがとうございました!! (11月19日 11時) (レス) @page45 id: 03ba19f866 (このIDを非表示/違反報告)
かけたま - こんなにも面白い作品を生み出すあなたは(^^)最強か？ これからも応援させて頂きます。 頑張って！！ (2021年12月12日 0時) (レス) id: a9aad67263 (このIDを非表示/違反報告)
猫餅 - 体長が体調になっています。>"< (2021年8月11日 20時) (レス) id: 3a7b856aca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬ(プロフ) - 素敵な作品私ありがとうございました。とても面白かったです！ (2021年4月26日 11時) (レス) id: 7168c245e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宙
| 作成日時：2020年12月31日 14時
