251 YOU ページ1
手もかなり良くなった頃に あの男性の事務所に行き この前に買ったハンカチと借りたハンカチを洗ってメッセージを入れておいた袋を受け付けに渡した。
待つように言われたが
渡していただければいいですからと言って
事務所を出た。
駅に向かって歩いていると
あの男性が走ってきた。
☆「ちょっと！ 待って！」
「あっ……この間はありがとうございました。ちゃんとお礼も言わず………」
☆「いや……まあ 立話もなんだから コーヒーでも飲みながら。」
「……ご迷惑ですし……すみません。」
☆「僕……君を追いかけてきたから 事務所でコーヒーを飲み損ねたんだ。飲みたいんだけど。」
なんだか男性のペースに押されて
お茶をすることになった。
☆「確かっていうか………僕は君の名前を知らないんだけど……僕 知ってる？」
「あっ！ 大変 失礼しました。私は''るい"といいます。……申し訳ありませんが 私はあなたを良くは知らないです。すみません。あのような会にいらっしゃったから 芸能界の方と思ったんです。」
☆「君は業界人に見えないけど……何故あの会に？」
そうか…………
やっぱり そう見えてしまうんだ。
結局 ああいう集まりでは
浮いてるってことなんだ。
なんとか ごまかさないと。
「し し 知り合いの知り合いがいたので……ちょっと社会勉強のつもりで行ってみました。…………芸能界の方は男性も女性も綺麗な方が多いですね。」
☆「ふーん。………………君も美人だけど？ モテるでしょ？」
「いえ！ 美人だなんて……言われたことはないですし……全然 モテなかったです。」
☆「へぇーー……意外だ。でも…………指輪……」
私の結婚指輪を指差してくる。
「あっ……はい……一応 結婚していて……子どももいます。」
☆「子どもがいるように見えない。」
「……悪阻で かなりやせましたし………私はスポーツをしていたので 筋肉体質というか……」
この人……
話が上手いっていうか……
嫌な感じじゃないけど 気をつけないと。
一般人の私が彼の妻だってわかったら
彼に迷惑がかかるかも知れないし。
名前聞いてない。
聞いとかなくっちゃ。
「あのー……お名前は？」
☆「えっ？……知らない？ 名前も？」
「すみません。」
☆「僕は……チョン・イル。 ユンホ君とドラマで共演して それから付き合いがあるんだ。だから あの会に誘われたから行ったけど…あの会の主役とは面識がない。」
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作者名：ここ
| 作成日時：2018年11月7日 1時
