こっくりさんの呪い___HSJ 2

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伊野尾くんは美藍ちゃんと付き合っていたという。




美藍ちゃんは母親に虐待を受けていた。


父親は世間体を気にして離婚はしていなかったもののほとんど家に帰ってこなかったという。








母親はお金が欲しいがために娘を売っていた。



平成中学に通わせていたのは 自分の過去に犯 した犯罪を隠すため。

娘に見張らさせていたということだろう。









美藍ちゃんは 死にたいほど辛かっただろう。


でも伊野尾くんがいた。









伊野尾くんは美藍ちゃんに絶対に死ぬな、



20になったら2人で結婚してどこか遠くで暮らそうと約束していた。








………心のどこかではわかっていたという。


でも現実を見たくなくて 美藍は殺された、と言い聞かせていたらしい。








美藍ちゃんがなぜ自 殺を選んだかはわからない。





発作的なものだったのかも知れない。




……その時はいつもと違い、止めてくれる人がいなかった。




だから、死んでしまった。









私には美藍ちゃんの気持ちも、伊野尾くんの気持ちも紫月ちゃんの気持ちもわからない。




誰の気持ちもわからない。









ただわかったことは









自分の無力さと




死んだ人は戻ってこないということだけ。

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