水の中。 (ページ6)

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またやってしまった

「はぁ」

ザ「どしたの」

「...またやっちゃったじゃん、」

ザ「ん〜笑」

モトキとは既に別れて、ザカオとは帰り道が途中まで一緒なので2人でてくてく歩く

わかりやすくしょげると、頭をぽんぽんとされた

私はずっとモトキが好き

それに気が付いたのはつい最近のことで
平然を装って一緒にいるけど実は胸が鳴りっぱなしである

そんな私を昔から見抜いていたザカオに相談すると

ザ「Aずーっとモトキのこと目で追ってたじゃん笑」

と一蹴されてしまった。

多分、友達っていう関係を壊したくなくて、気付かないフリをしていたんだと思う

ザ「んで、いつ言うの」

「言えたら言ってるし、こんな野蛮な女嫌でしょ」

ザ「...Aは可愛いよ」

「ザカオは優しいね。でももっと可愛い子いるし。
...現に隣のクラスにモトキのこと好きな子いるもん」

私なんかよりもっとお淑やかで、身長も低くて可愛らしい、The・女の子

私なんか、

ザ「わっ！！！」

「うわぁ！？なに！！？」

ザ「やっとこっち向いた」

私が下を向いていたら急に驚かされた
絶対寿命縮んだと思う

前を向くと、真剣な表情をしたザカオ

「ど、どうしたの」

ザ「そうやって自分を下げて、本当は取られたくないんでしょ。

...顔に書いてあるよ、誰にもやるもんか！って笑」

頬をむにっとされて好き放題

幼馴染っていう誰よりも近い存在で、優位に立っていると勘違いしていた

だけどそれは幼馴染以上にはなれないという意味でもあった

この関係が心地よくて、壊したくなくて
近くにいられるならと自分の気持ちに蓋をしていた

だけどそれにも限界がきた

いつもだったら気にならないことが目についた

他の女の子と話しているのを見かけたり、楽しそうにしてるのを見るだけでイラついてしまって酷い態度をとった事もあった

それでもモトキは何も変わらず優しかった

「...言っても大丈夫かなぁ」

ザ「大丈夫だよ。振られてもみんないるじゃん」

「慰めてね。」

ザ「あったりまえだよ！

...─────、」

風の音でザカオが何かを言いかけたのが聞こえなかった

「ん、ザカオ何か言った？」

ザ「.....なんも！明日頑張れよ〜？笑笑」

「...そか、てか明日！？」

あの時同時にザカオを傷付けてたなんて思いもしなかった