１９.終末 ページ20
「トミー！ 俺を信じろって言ったじゃないか！」
ないとーさんは投票結果を見て唖然とし、迫りくる死に恐怖を覚えていた。
「ないとーさん申しない。でも、俺にはAちゃんの方が白く見えたんす。でも、きっとないとーさんが本物なんだろうな、って頭のどこかで思って……。俺もすぐそっち行くんで待っててください」
トミーさんは、ないとーさんに投票したが私が人狼だということを薄々勘付いていた様子だった。
「死ぬのは怖いし、ずっとパニックになっていたけど、俺、これに参加できてよかったかもしんない。なんか本当の自分をやっと見れたような気がして。１回戦で死んだやつらも、今回死んだやつらも、きっと俺たちのこと待ってるさ。だから、また皆で集まろうぜ。Aちゃんは俺たちの分まで生きろよ。次会うのは１００年後かもしんないけどな」
ないとーさんの処刑が実行されるまでの約１分間、ないとーさんは私たちに向かってずっと語り続けた。あれほどにまで必死に生にこびりついていたのに、全てがすっきりしたようで、最後は怯えながらもすがすがしさをどこかに感じた。
「人狼が市民陣営と同数になりました。よって、人狼陣営の勝利です」
館内に最終結果のアナウンスが流れる。
「やっぱりそうだよね。俺、なんかこっから逃げ出したいとか思っちゃった。ないとーさんが騎士かもって思ってたけど、Aちゃん信じてみよっかな、みたいなそんなノリだったんだよね」
「私、人狼だってことバレてました？」
「いや、そういうわけじゃないけど……」
最終日、私はどんな振る舞いをすればよかったのだろうか。トミーさんの思考がルーズだったおかげで私は勝つことができたのだ。
「いざ最後ってなると全然うまく喋れないけど……。Aちゃんはないとーさんも言ってたけど俺たちの分まで生きてね。もしかしたら３回戦もあるかもしれない。でも、何としてでも運営をぶっ放してほしい」
最期にトミーさんはそう言うと、例のごとく処刑されていった。
私が「はい」と頷き終わったときにはもう姿はなかった。
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おかゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作から読み続けて、この後の私の行動どうしようかなまで考えられる素敵な小説でした。個人的に虫さんが早くメンバーに会いたがってるシーンが胸にグサグサささってきました…とっても面白かったです！ (2020年10月19日 20時) (
レス) id: 2797378088 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - 前作からきました！！今作も楽しみです！！頑張ってください！！ (2020年9月19日 20時) (レス) id: 2797378088 (このIDを非表示/違反報告)
佐松 コン(プロフ) - 前作から来てくださった方ありがとうございます◎こちらのミスで色々ありましたが、気長に更新していきたいと思います〜 (2020年9月19日 13時) (レス) id: cf26859d8e (このIDを非表示/違反報告)
狼猫 - 前回のをハマりすぎて二時間位で読み終えました!今､どはまり中です!更新頑張ってください! (2020年9月19日 12時) (レス) id: d9951e1648 (このIDを非表示/違反報告)
花霞。(ピクルス)(プロフ) - 来ました！わぁ、タナカガさん追加されてる！！ (2020年9月18日 14時) (レス) id: 9940065f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐松 コン | 作成日時：2020年9月18日 13時
