キヨとかいう人に気に入られた話【実況者】【キヨ】

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しつこく言ってくるだろうな、と判断した私はLINEを渋々交換することにした。

「あざーす、家帰ったら連絡するわー」

『え、は、はい。…あの…。友人から、動画撮ってない時めっちゃ暗いって聞いたんですけど、よくそんな簡単に女子に話しかけられますね？』

さっきからずっと疑問に思っていたことを聞いてみることにした。

「えっ?!…あ、あぁ。普段は、普段は暗いけどライブ会場だし？なんかいつもより楽しくなっちゃうー、みたいな」

『？…そーですか』

なぜか少し焦った様子で答える。
あぁ。だからこんなにナンパのような手口で連絡先を聞き出すのか。なるほど。

『あ、言っときますけど私ヤりませんからね』

「ねえだからさ、それはさ。違うじゃん。女の友達くらい作ってもいいじゃん」

また笑いながら話すキヨ。
…友達。私は彼の友達になるらしい。

「あ!そういや大事なこと忘れてたわ。名前なんつーの？」

『フシギダネです』

「嘘つけ。いいんだよ、そういうのは」

『…Aです』
LINEを交換してしまった以上、いつかは名前を知られてしまう。ならもう言ってしまってもいいだろう。そう思い私は名前を告げた。

「わかった。俺は…知ってるよね。」
『…キヨ』

「さんをつけろさんを」

『嫌です』

元々自分の中で呼び捨てだったから急にさん付けはちょっときつい。失礼なのはわかっているが、ナンパ野郎に気を使う必要はないと判断した。

『…じゃ。失礼します』

「はーい」
身を返し歩き出す。

今度は意図も簡単に帰らせてくれた。連絡先が目的だったのだろうか。

本当にただのナンパ野郎じゃねえか。

と、思いながら小走りに友人の元へ急いだ。

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