キヨとかいう人に気に入られた話【実況者】【キヨ】

#37 ページ41

『いただきます』
「いただきまーす」

二人で手を合わせていただきます、と言ってフォークを手に取った。

『ん〜〜っ、うっま』

「え、Aその量全部食うの？」

『…はひ？(はい？)』

その量、とは。

『どういうことですか？』

「あれ、俺の勝手な思い込み？女子ってそんな食べるもんだっけ」

自分自身気づいていなかったけれど、人から見たら結構多くの量の料理を私は頼んでいたらしい。

『そーですよ。女子が全員少食のかわいい子なんて理想、捨てた方がいいですよ』

「いやそこまで言ってないじゃん!…ま、でもいいと思うよ俺、あまり少食過ぎるのも好きじゃないし」

『キヨさんの好みなんて聞いてないんですけどー。』

「あーも、わぁったから。拗ねんなって」

『拗ねてないです』

他の友達と来ても、こんなに素の状態で食べれることなんてなかった。

女子特有の話に混ざらなくてはいけなかったり、写真を取ったりするイマドキの流れに、私はついていけなかった。

あ、けどりりは例外。


会って全然時間が経ってないのに。少しだけ、彼に心を開きかけている自分がいるのかもしれない。

#38→←#36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す