キヨとかいう人に気に入られた話【実況者】【キヨ】

#11 ページ12

私たちは隣の部屋を一切見ずに外に出た。

作戦(？)はこう。

きっと同時に出てすぐに彼らをみて騒いでしまうと彼らに迷惑がかかり、そして本人から面倒くさいリスナーだと認知されてしまう。

そして私も巻き込まれる。

だから、本人たちのことを見ずに会計に向かう。そして彼らは私たちのことを嫌でも視界に入れることになる。

完璧な作戦。らしい。自分でも『何やってんだろ私』ってつくづく思う。

後ろは一切振り向かずに二人で会計へと向かう。

至近距離の後ろから、彼らの話し声が聞こえる。約2〜3メートルほどの距離な気がする。

.

何事もないような顔で会計にたどり着き、友人がお金を払いに行った。

私があとからあらかじめ計算してあった自分の分の代金を渡すという形で支払うことにした。

彼女を待っている間私は入り口近くの壁にもたれかかり、カバンから小さいペットボトルに入った水を取り出して、飲む。

ペットボトルの蓋を閉めたときだった。

「A」

肩にポン、と手を置かれて誰かに声を、かけられた。

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