うる船で短編集 4

・なかのっち〜エース同士〜 2 ページ38

帰りのバスではめちゃめちゃいじられた

終始、ドキドキしてた。

だから、気づいた

俺は佐々木に

恋してる


今日確実に告るタイミングだった

軽く項垂れながら翌日日曜日を過ごして


月曜日。

今週は部活は休み。

でもなんとなく体動かしたくてちょっと自主練して

グラウンドを覗けば

佐々木が走ってた。

丁度ダウン中みたいで

部活の終わる時間から更に45分経ってた。

やっと荷物まとめて終わろうとしてたから


俺「おつかれ」


声をかけた


佐々木「あ、中野君！お疲れ様！どうしたの？」

俺「あ、俺も少し自主練してて」

佐々木「偉いね！？」

俺「いや、佐々木も自主練してたじゃん」

佐々木「いやいやこれくらいしないと〜」

俺「…俺もさ、大会見に行っていい？」

佐々木「え？来てくれるの？」

俺「いや、迷惑じゃなかったら…」

佐々木「迷惑じゃない！寧ろ来て欲しいと思ってた、ありがとう！」


それから他愛ない話しながら一緒に帰った。

次の日も

また次の日も

そして迎えた佐々木の大会の日

俺の声はデカいから佐々木に届くかなと全力で応援した

佐々木は黒人選手に食らいついてた

唯一、黒人選手の後ろにずっと居て

最後の1周でスピードアップして

2位でゴールしてた

予選はどうやらそのまま2位通過

決勝も同じように、黒人選手に食らいついてて

残り3週のところで佐々木が前に出た

黒人選手達を引き離し

最後の1周に差し掛かった所で

黒人選手が追い上げてきて

残り半周で追い付かれて

必死に声を出した

そしたら

佐々木が物凄い追い上げで

残りの直線で越し返してゴール

佐々木が1番だった

周りなんて気にせず、ガッツポーズして喜んだ

佐々木はというと肩で息をしながら黒人選手と握手してた

選手村に1番近いゲートに行って

出てきた佐々木に声を掛けたら


佐々木「中野君〜！勝てたァー！！」抱


佐々木が勢いのまま抱きついて来て

焦ったけど

俺も抱き締め返して


俺「ほんと、凄かった…まじで感動した。おめでとう、お疲れ様」

佐々木「へへ、ありがとう！」

黒人選手「Hey！your boyfriend？」

佐々木「YES！」

黒人選手「ヒュー」


俺「今のさ、彼氏？って聞かれてたんとちゃう？」

佐々木「え！？まじで！？間違えた！ごめん！」

俺「い、や…あのさ！俺…佐々木が、好き！俺と付き合って、くれませんか！」

佐々木「えっ？」


「嬉しい、よろしくお願いします！」


こうしてエースカップルが誕生した

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