うる船で短編集 4

・なかのっち〜エース同士〜 1 ページ37

うちの高校はもう時期夏のインターハイが近付いてくる

毎年惜しい所まで行ってて

監督も今年こそは、と俺達に期待してくれてる。

俺もエースだ、って特に期待されてた。

部活が全校で終わるのは17:30

片付けが終わったあと、1人で少し練習してた。

現在時刻は18時

グラウンド脇のプレハブ小屋にある水道で顔洗ってたら

誰かの足音がした

慌てて横見たら

同い年、違うクラスだけど話した事ない有名な女子

陸上部のエースの佐々木Aだった。


俺「お疲れ」

佐々木「中野君お疲れ！」


俺の事、知ってんだって

なんか嬉しくなった

佐々木はいわゆるマドンナ的な存在

成績優秀スポーツ万能、顔も可愛いしスタイル良いし優しい上に彼氏なし。

狙ってるやつが結構いるらしい。

俺は別にー、とか言ってたけど、間近で見たら分からなくもない


俺「佐々木、インターハイ出るんだって？頑張ってな」

佐々木「ありがとう！中野君もだよね！お互い頑張ろ！」

俺「ありがとう、！」


陸上はよく分からんけど

佐々木は確か3000m走るとか

すげぇなぁって


佐々木「中野君、凄いよね、サッカー部エースだもんね。」

俺「いや、いうて佐々木陸上部エースじゃん。そっちのが凄いよ」

佐々木「そんな事ないよ、ありがとう。ね、いつ？試合」

俺「え、と…来週の金曜日と土曜日」

佐々木「土曜日が決勝？」

俺「うん、そう」

佐々木「そっか、私その翌週だからー…応援行くね」

俺「え、来てくれるん？」

佐々木「いい？」

俺「いやもちろん！」

佐々木「じゃあ、当日頑張ってね」

俺「ありがとう」


そして迎えた当日

準決勝、ここで負けたら佐々木が応援に来ない。

だから勝たなきゃ。

そんな焦りの中、なんとか勝ち取った。

翌日の決勝

ガチで佐々木は応援に来てくれてて

サッカー部全員テンション上がってた。

よく通る声が周りの歓声よりも鮮明に聞こえて

俺達の背中を押してくれてた。


監督に飛ばしすぎだって怒られたけど

強豪校相手に、いい動きが出来て

なんとか3点取った。

そして

勝った。


皆、顔を見合って喜ぶ中

俺は客席をまず見た

俺よりも喜んでる顔を見て

嬉しくて

手を振りあって

ダウンが終わってから、偶然帰るとこに会えた


佐々木「おめでとう！！すっごくかっこよかったよ！！お疲れ様！」

俺「ありがとう！佐々木のお陰で頑張れたわ。ほんとに応援ありがとう」

佐々木「ふふ、それなら、良かった！」

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