うる船で短編集 4

・中野あるま〜一般人の分際で私だけの大切を奪おうだなんて〜 3 ページ34

あるま「っはぁ！はあ！」《バンッ》

あるま「A！！！」


真っ暗な部屋に、靴を脱ぐのを忘れて入り込む

ふと、テーブルの上に手紙と、俺のプレゼントしたリング

当時の気持ちが、映像が鮮明に思い返される


【あるま君へ、今まで楽しかった。ありがとう。バイバイ】


後悔

後悔


美夏ちゃんならと電話をかけた


美夏「もしもし？」

あるま「美夏ちゃん！そこに、Aいる！？」

美夏「…いますよ」

あるま「っすぐにいく！」



とにかく、美夏ちゃん家に走った

走って、走って

着いたけど


美夏「…Aは、本当はいませんよ。」

あるま「…は？」

美夏「いやいや、アンタ最近？新しい女の子にうつつ抜かして？雪兎のこと全部教えて？突き飛ばして過呼吸にして放置して…最低だよね」

あるま「…分かってる…」

美夏「じゃあ今回の雪兎活動休止の理由、言ってみ」

あるま「それは、俺が、突き飛ばして…ショックで…歌い手続けたくないって…」

美夏「違う。まぁ、途中まで正解。あの子、ショックでー…声出せなくなったの。」

あるま「っー」

美夏「歌い手の命と言える声が無くなったから…ストレスだって。アンタのせいだよ。アンタの！！！二度とアタシの親友に近付くな！！」

あるま「…ごめん、ほんとに、ごめん！」



新幹線でも案外揺れる

トンネルを抜けた先は

雪景色ー

ではないけど

まぁ、見慣れた景色

温泉入って

お母さんの手料理食べて

家族で、酒をがぶ飲みした。

でも1人になると

背中が、喉が焼けるように痛む

歌いたい



数日して、ベルはナンバーワンに輝いた

そしてあるまは



あるま「美夏ちゃん……Aの、いる所を、教えてください…」

美夏「…はぁ…私だってさ、アンタの思い分かる。後悔してるのもとにかく謝りたいのも。けどさ、アンタに会ってもしAがもっと傷いたら。それが1番怖い…実家、これ住所。私は明日帰省するから。ダメだったら叩き出すからね」

あるま「あり、がとう」



いざ、旅館を目の前にする

けどここで行かなきゃ

謝らなきゃ



俺「Aさん、居ますか…」

女将「…いません。」

俺「…娘さんを、傷付けてしまい…本当に、すみませんでした。」

女将「……はぁ、こちらへ」

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