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こんな言葉がある。
たいていの人はほんとうになにがほしいのか、
心の中でわかっています。
人生の目標を教えてくれるのは直感だけ。
ただ、それに耳を傾けない人が多すぎるのです。
__バーバラ・ブラハム。米国の女性ビジネスコンサルタントとして有名な人だ。
確かにそうなのだと思う。
俺が欲しい物。
俺は、みんなで一緒にいたいから。それは昔から心の中で思っていた。だから俺は強さが欲しい。
俺の目標。
みんなと笑っていたい。それも直感的に思っていた。だから椿を止めたい。
みんな、俺の夢を聞いてくれた。クロは一緒に戦ってくれた。御園もリリイも分かってくれた。
でも唯一、Aだけは。
まだ自分自身の考えを聞いた事が無いんだ。
今だから思う。
本当は、耳を傾けていなかったのは、俺だったんじゃないかって。
……もし違うなら、
「……心配だなー……」
こんな言葉、聞こえるわけがないから。
「A……?」
俺は何気なく、隣に座るAに視線を向けた。テーブルに頬杖をつき、気だるそうな顔つきは、いつもと何も変わっていないように見える。
「……俺は、兄さんの、
「けど、俺は真昼君の命令も聞きますよ。君の方が位は高いですからね。
__だけど」
「あ……?A……どうし__」
「……俺は、あんたのその夢見心地めいた理由を、認めるわけにはいきませんね」
「ッ……!」
____怖い。
Aが、怖かった。視線はテーブルに置かれたコーラが注がれているガラスコップに向かっているけど、一目で分かった。
純粋に、Aのいつもの眠たげな半目とは比べ物にならない。怒りが混じっていた冷徹な瞳。少なからず殺気も伝わってくるような、そんな目つき。
頬を伝って、拳に水が落ちた。目からじゃない。額からだ。
分からなくなった。これは、いや、これが、本当のAの姿なのか。いつもの破天荒なことばかりを呟いて、掴みどころのない奴がAなんじゃなかったのだろうか。
……あまりに普段と変化し過ぎた瞳に、思わずこれがアイツなのか自問自答してしまった自分が、ここにはいる。
「あ゛あ!?何言ってんだテ……」
「真昼君は」
暴食のワールドエンドの声に、無理やり自分の声を重ねて彼を黙らせたAは、一拍置いた。
「……真昼君がしたいのは、『人助け』なんでしょう、結局は。__一言言わせて下さい」
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沙岼(プロフ) - 糺香さん» 応援ありがとうございます!!喜んで頂けた様で私もとっっても嬉しいです!そして安心しました (^_^; 此方こそ、リクエストありがとうございましたm(_ _)mまた何かありましたらよろしくお願いします! (2015年12月22日 20時) (レス) id: e0d89f30bb (このIDを非表示/違反報告)
糺香(プロフ) - 沙岼さん» いえいえ、全然大丈夫です!あと、繰り返すようですが、ありがとうございました!凄く自分のイメージに合っていて、今とてもテンション上がってますwこれからも応援してます、頑張ってください!(´ω`*) (2015年12月22日 20時) (レス) id: 48565dd88d (このIDを非表示/違反報告)
沙岼(プロフ) - 糺香さん» 此方へのコメント失礼します。大変遅くなってしまいましたが、絵の方が完成致しましたのでご報告に参りました。此方です→http://uranai.nosv.org/u.php/novel/8a5a99ee1f1/ 本当に遅くなってしまいすいません( ;´Д`) (2015年12月22日 18時) (レス) id: e0d89f30bb (このIDを非表示/違反報告)
糺香(プロフ) - ねこのふくろうさん» 大丈夫さ!何故なら俺はてん((殴← (2015年6月29日 18時) (レス) id: 7f15b0a463 (このIDを非表示/違反報告)
ねこのふくろう(プロフ) - 糺香さん» (割り込み注意)ディスプレイに頭突き!?痛そっ!大丈夫かい?´´(´°△°`;)オロオロ (2015年6月29日 0時) (レス) id: c14e14d86c (このIDを非表示/違反報告)
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