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「お前っ…さっき言ったよな、俺に全部責任負わせるって…
__だったら、俺の言うこと聞けよっ…!」
ああ______そうなんだ。
__この少年はこれが『答え』なんだ……
俺はあの後、何も手出しをせず、ひたすらに目だけを動かして二人の様子を見守っていた。
何となく予想はしていたけど、その予想よりも結構早く兄さんは手品師を瀕死の状態に追い詰めた。あの手品師は言っていた。自分は【椿】のサブクラスだって。
基本、サブクラスは不死身だけど、真祖の吸血鬼がそいつの血を吸うことによってサブクラスを「壊す」ことは出来る。
…不老不死って謳ってるくせに、血を吸っただけで死ぬなんて儚いよな、俺たちサブクラスってさ。
ま、兄さんはあのキチガイ手品師の血を吸おうとするんだけど……、
「ここで真昼少年の出番ですよーっと…」
そう、少年が兄さんを止めた__
俺は顔を上に上げる。空は何か不穏な出来事が起きることを伝達したいのだろうか…どこまでも黒く、墨で塗りつぶしたかのように漆黒だった。
はーっと、何故かよく分からないが、溜め息らしきものが喉を通って何もない空中へと出ていく。
俺はただ____
自分の「我儘な」気持ちを押しとどめているだけだった……。
おい__あんたもどっかで見てんのかよ、【椿さん】。
あの少年の、真っ直ぐで僅かな歪みすら認めないような、瞳を。
ああああ………嫌だなぁ、そんなの……。
「信じたくないなぁ…」
俺は、ただ信じたくなかっただけなんだ。俺の過去に、記憶に、ありえなかったことを。
でもいいんだ、ありえないのは俺だけだ。少年はありえないわけないんだから。
___少年は普通の高校生、俺は、中途半端な “怪物”だ。
「俺の、完敗だよ…少年」
「え、なに?」
「ってうわぁ!?」
…あ、やばい。ずっと動かなかった足が動いた。___どっちかというと、滑った。
俺の体が低気圧とか、圧力とか_まぁ、とにかくそんな物全てを無視して後ろに倒れこんでいく。てか、ホントに関係ないわ、圧力。
痛いのかな。痛いか。コンクリートだしな。あーあ、ただでさえ腰痛ぇのにな…湿布買ってもらお。
うん、それから記憶消滅しました。ごめんさい、だからこれ以上得筆出来ませーん。
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沙岼(プロフ) - 糺香さん» 応援ありがとうございます!!喜んで頂けた様で私もとっっても嬉しいです!そして安心しました (^_^; 此方こそ、リクエストありがとうございましたm(_ _)mまた何かありましたらよろしくお願いします! (2015年12月22日 20時) (レス) id: e0d89f30bb (このIDを非表示/違反報告)
糺香(プロフ) - 沙岼さん» いえいえ、全然大丈夫です!あと、繰り返すようですが、ありがとうございました!凄く自分のイメージに合っていて、今とてもテンション上がってますwこれからも応援してます、頑張ってください!(´ω`*) (2015年12月22日 20時) (レス) id: 48565dd88d (このIDを非表示/違反報告)
沙岼(プロフ) - 糺香さん» 此方へのコメント失礼します。大変遅くなってしまいましたが、絵の方が完成致しましたのでご報告に参りました。此方です→http://uranai.nosv.org/u.php/novel/8a5a99ee1f1/ 本当に遅くなってしまいすいません( ;´Д`) (2015年12月22日 18時) (レス) id: e0d89f30bb (このIDを非表示/違反報告)
糺香(プロフ) - ねこのふくろうさん» 大丈夫さ!何故なら俺はてん((殴← (2015年6月29日 18時) (レス) id: 7f15b0a463 (このIDを非表示/違反報告)
ねこのふくろう(プロフ) - 糺香さん» (割り込み注意)ディスプレイに頭突き!?痛そっ!大丈夫かい?´´(´°△°`;)オロオロ (2015年6月29日 0時) (レス) id: c14e14d86c (このIDを非表示/違反報告)
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