頭文字D ～秘められし才能～ (ページ23)

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stage22 ページ23

高橋兄弟もその日は、帰宅した
藤原親子は、紗季の入院の手続きしてから帰宅
紗季は、一人病室で休んだ

次の日の午前中に紗季は、検査を受け病室で車の雑誌を見ていた

ガラガラ

拓海「着替え適当に持ってきたけど」

紗季「…………置いといて」

拓海「…………車の雑誌？」

紗季「…………啓介さんが持ってきてくれた」

拓海「え」

紗季「…………」

ガラガラ

啓介「藤原」

拓海「啓介さん！涼介さん」

啓介「お前、学校行けよ」

拓海「いや、妹が」

涼介「俺たちが見るよ」

拓海「！！？」

啓介「義妹みたいなもんだしな…………」

と啓介は、涼介を横目にそう呟いた

涼介「…………」

拓海「すみません、色々と」

啓介「気にすんなって」

涼介「父親は？」

拓海「豆腐屋なんで………」

涼介「…………そうか」

紗季「………兄さん、退院いつ出来るの」

拓海「まだ、入院したばかりだろ！？」

紗季「…………走りたい」

拓海「！？」

紗季「…………嫌なこと忘れたいから走って」

拓海「…………我慢しろ……」

紗季「……………暇」

拓海「我が儘言うな」

紗季「……………」

紗季は、車の雑誌を見ながら拓海以外と目を合わさなくなった
何かを差し入れされたらお礼だけ言うもののそれ以外は、何もない
次の日から拓海は、学校帰りにお見舞いに行くことになり
拓海が学校の間は、高橋兄弟が交代で見舞いに

紗季「何で家族でもないのに毎日来るの」

涼介「何でだろうな」

紗季「…………」

涼介「………」

紗季「…………私に心肺蘇生法をしたのは何で」

涼介「死なせたくなかった………もぉ２度と大切な人を失うのが嫌だった」

紗季「２度？」

涼介「俺は、婚約者を喪っている」

紗季「え」

涼介「………自ら絶った」

紗季「…………」

涼介「……………」

紗季「その人のこと今でも慕ってるんですね」

涼介「！」

紗季「目を見れば分かりますよ………その人のこと今でも愛しているって」

涼介「……………」

紗季「でも喪っていることも分かっているからとても辛い思いをしている」

涼介「……………」

紗季「…………ありがとう、助けてくれて」

涼介「…………」

紗季「私に心肺蘇生法をしてくれたのが涼介でよかった」

涼介「…………」

紗季「…………涼介さんは、無理しすぎてる………少しは、気を休めて」