頭文字D ～秘められし才能～ (ページ16)

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stage15 ページ16

涼介「…………取り敢えず、今日は帰ろう」

紗季「…………」

紗季は、何も言わず86の後部座席に乗り込んだ

拓海「すみません……」

拓海は、皆に謝ってから一足先に帰宅した

紗季「……………」

文太「また、喧嘩でもしたのかお前ら」

拓海「別に………喧嘩した訳じゃ」

文太「…………」

拓海「紗季のトラウマを克服させようと思ったんだ」

文太「………っで克服できず、被害妄想が発動したわけか」

拓海「…………親父、トラウマって克服できんのか？」

文太「さぁーな」

拓海「………皆言ってんだ、紗季の本当の走りを見たいって……あいつには、俺とは違う素質があるって」

文太「………無理に克服させるよりそうさせない方法を考えろ」

拓海「どう言うことだよ」

文太「簡単なことだ……紗季は、囲まれたり後ろから追われるのがトラウマであって前だけなら見れる…………」

拓海「！！バックミラーを見ないように走らせろってことか」

文太「まぁ、長期戦になるだろうが………今のあいつには、それが手っ取り早いだろうな」

拓海「……………」

文太「紗季に走りを教えてぇなら教えりゃいい………兄妹なんだから仲良くやれ」

拓海「親父こそ、父親なら」

文太「俺は、お前に教えてんだろ」

拓海「………」

拓海は、父親からそう言われ自分の部屋で考えて寝た
早朝

文太「紗季、前だけを見て走れ」

紗季「いつもだし」

文太「…………後ろから車が来てもバックミラーを見るなってことだ」

紗季「！」

文太「バックミラーを見ず、今まで通り水を溢さずに行け」

紗季「……………走り屋じゃないし」

紗季は、いつも通りに出発した
いつも通りの配達を終え、一人で登校した
授業をいつも通り受け、お昼休みになったら

拓海「紗季」

紗季「………兄さん」

拓海「一人だろ？食べようぜ」

紗季「……………何で昼まで兄さんと食べなきゃなんないわけ……馬鹿みたい」

紗季は、反抗するように一人でどっかへ行った

茂木「紗季ちゃん、反抗期？」

拓海「年がら年中、反抗期だ」

茂木「………女の子って男の子より複雑だから」

拓海「………茂木ってトラウマとかあんのか？」

茂木「トラウマ？…………うーん」

拓海「…………紗季には、トラウマがあるから反抗期なんだよなぁー」

茂木「じゃあ、克服できるように拓海くんが助けてあげなきゃね」

拓海「助けるったって……………」