銀糸が導く愛歌 【名探偵コナン】

光と闇 ページ30

どのくらい泣いたのか分からないけど、泣き続ける私をずっと抱き締めていてくれたジン
涙が止まり、彼から身を離す

紗季:ありがとう………もぉ、大丈夫
ジン:溜め込みすぎんなよ
紗季:♪ぅん
ジン:……

静まり返った病室でジンのスマホが振動した

ジン:チッ………


ジンは、スマホの画面を見て舌打ちをした

紗季:私は、大丈夫
ジン:………
紗季:♪
ジン:………悪いな


ジンは、帽子を被り直して病室を出ていった
１人になった病室は静かで私は、疲れ果てて目を閉じた

〈ジンside〉

泣きたいのを我慢していた紗季を受け止め、泣き止んだ紗季ともう少し居てぇ気持ちは、あったが任務の呼び出しを受けて、アジトへ向かった
アジトには、ﾍﾞﾙﾓｯﾄ、ｳｫｯｶなど実行部隊のﾒﾝﾊﾞｰが集められていた

ﾍﾞﾙﾓｯﾄから渡された黒い封筒を開封して確認し直ぐに指示を出して任務へ向かった
一刻も早く、終わらせて紗季の側に居てやりたいそれだけを思い、俺は任務を最短で終わらせた

ｳｫｯｶ:呆気なかったですね兄貴
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:呆気なく終わらせたの間違いよｳｫｯｶ
ｳｫｯｶ:え
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:今のジンは、遅咲きの恋をしてる……
ジン:ヘドが出るぜ
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:認めなさいよ………紗季が好きなんでしょ？
ジン:………
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:誰が見ても分かるわよ、紗季と居るときのジンは恋してる男の表情でしかないわ
ジン:チッ
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:それとも体の関係を持ちたいのかしら？

ｶﾁｬ

ジン:黙れ(睨)
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:It 's not a straightforward(素直じゃないわね)
ジン:チッ………


ﾍﾞﾙﾓｯﾄと居るとストレスが溜まる………
俺は、そんなこと考えながら煙草に火を点けて煙を吹く


ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:好きな女の子には、直球で勝負するのよ
ジン:てめぇに言われる筋合いは、ねぇ
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:彼女歴無しの貴方に女の子の気持ちが分からないと思うから助言してあげてるのよ……
ジン:………


任務が終わってから病院までの間、ずっとﾍﾞﾙﾓｯﾄに女の気持ちだの恋愛だのと説教混じりに聞かされ続けた
病院についた瞬間、俺はﾍﾞﾙﾓｯﾄから逃げるように紗季の居る病室へ向かった

ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:ポルシェより紗季の方が大事なようね
ｳｫｯｶ:まぁ、紗季と居るときの兄貴は、穏やかでいいですぜ
ﾍﾞﾙﾓｯﾄ:………羨ましいわ、恋する二人が

病室に戻った俺は、安らかに寝ている紗季を見て苛立ちなどが吹っ飛び、俺も椅子に座って寝た

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