無一郎と ページ7
貴方side
貴「うん、今さっき。ね?」
2人に同意を求めると、コクッと同時に頷く。するとしのぶさんは、慌てていたような顔からいつもの笑顔に戻った。
し「そうですか。有一郎くんはしばらく安静にしていてくださいね。」
有「はい。」
有一郎が答えるとしのぶさんは、「用があるので」と言って病室から出ていった。
無「じゃあ僕もそろそろ。兄さん、お大事に。」
無一郎がそう言って立ち上がろうとすると、ふと思い出したように私の耳元で囁いた。少しくすぐったい。
無「今夜、僕の邸に来てね。」
貴「?うん」
今夜、無一郎の邸へ来てってどうしてだろう。不思議に思い聞いてみようとしたけれど、そそくさと出ていってしまったので、私は首を傾げるしかなかった。
有「お前も行かなくていいのか?任務とか用事とかあるだろ。」
貴「ううん、今のところはないよ。だからもう少し此処にいるね。」
任務がないのは本当。でも、用事はない訳ではない。帰ってから洗濯など色々な家事をしなければいけない。
...けど、もう少しだけ。もう少しだけでも有一郎と一緒にいても良いよね...?
------夜
日が落ちてきたので、無一郎のところへ行く準備をする。勿論、これから夜なのだから日輪刀とかも持って行かなきゃね。
さーてと、行きますか。んまあ、無一郎の事だしそこまで大した用がある訳ではないよね。
そう考えていると、あっという間に着いていた。私が声を掛けようとすると同時に、扉が開いた。中には笑顔の無一郎が。
無「いらっしゃい。さあ、入って入って。」
貴「お邪魔しまーす。」
お茶を入れてもらい、縁側に座って飲んでいると無一郎も私の横に座ってきた。そして月や星が輝いている空を見上げた。
貴「わああ、綺麗〜。今日は晴れてるからよく見えるね。」
無「うん、だから今日呼んだんだよ。一緒に夜空を見たくてさ。」
なるほど、そういう事だったんだ。
貴「そっかぁ、でもどうせなら有一郎とも見たかったね。」
私がそう言うと、無一郎は「そうだね。」とさっきよりも暗い声でそう言った。あれ、なんか怒ってる...?
何故か、ぴりぴりとした雰囲気を醸し出した無一郎に疑問が出てくる。どうしたのかな。すると彼は、ため息をつき、私の方へ体を向けた。
何...だろう。
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☆カペラ★ - ハピカさん» あざす! (2021年2月2日 22時) (レス) id: 4f4819643c (このIDを非表示/違反報告)
ハピカ - 有一郎が尊すぎるんだが。カペラ続編おめでとうー!! (2021年2月2日 18時) (レス) id: df379dee82 (このIDを非表示/違反報告)
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