大好きな人【時透有一郎】 (ページ5)

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重症ページ5

貴方side

それから有一郎と童磨の激しい闘いが始まった。私も助太刀したいけど、有一郎に止められてるからなぁ...。

有「霞の呼吸陸ノ型月の霞消」

童「血鬼術蔓蓮華」

私の入る隙間なんてない。す、凄い...。童磨は流石上弦の弐だと思うけど、それと互角に闘える有一郎も凄い。

...やっぱり私も闘いたい。有一郎に頼ってばかりいるのはなんだか辛い。

痛むけど大丈夫だ。私に気付いた有一郎がなんか言ってるけど聞こえないフリ。童磨は気付いてないみたいだからチャンス。

貴「夜の呼吸伍ノ型群青」

私が攻撃を入れると童磨は、気配を感じ取れなかったみたいで動揺した。よし！！

貴「有一郎、今よ！！！！」

有「！あ、嗚呼！！！」

有一郎が刀を頸に斬ろうとする。童磨はそれを阻止しようとして、扇子を持ち替えた。これは！！私が叫ぶよりもはやく、扇子が有一郎の体に攻撃した。

有「っがはっ！！！！」

貴「有一郎！！！！」

血を吐き倒れ込む有一郎に近づく。童磨はと言うと、口元をゴシゴシと擦っていた。

童「危なかったなぁ。じゃあ、Aちゃんもうすぐ夜明けだからおさらばするね。ばいば～い。」

そう言って童磨は消えた。...ってそんなことはどうでもいい。有一郎は！？

体の痛みも忘れ、有一郎に駆け寄った。...私のせいだよね。彼の体を優しく撫でて、いつの間にか来ていた隠の人達の片付けっぽい作業を見つめる。

自分の不甲斐なさに隊服をギュッと握る。悔しくて悔しくて堪らない。

俯いていると、「...あの～」と遠慮したような声が聞こえてきた。顔をあげると隠の人が心配そうな表情で私を見ていた。

隠「夜柱様、霞柱様(兄)は私達が蝶屋敷へ急いでお運びします。夜柱様は怪我の手当てを...。」

貴「分かった。ありがとう...。」

沈む気持ちをなんとか抑え込み、私も隠の人達と一緒に蝶屋敷へ向かった。

―――

し「有一郎くんの怪我は重症でしたが、命に別状はありません。」

しのぶさんからこう告げられてから、どんなに安心した事か。でもその後に、私も怪我してしまったから怒られちゃったけど。

　

そして私の怪我はなんとか治ったけれど、有一郎が中々目を覚さない。一緒にお見舞いに来ている、かまぼこ隊と無一郎も心配そうである。