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考え過ぎかもしれないけど、風雅とよく目が合う。そのたびに逸らすのは私。見つめ合ってればいいのに、それができないんだ。
「 なに考えてんのー？ 」
「 いや、なんも 」
机で突っ伏す私の目の前にしゃがむ湧が喋りかけてくる。
「 てか次、体育だな 」
「 え！？そうなの 」
「 まさかジャージ忘れたの？笑 」
「 うん、どうしよ 」
「 しゃーねえな、今日サボるつもりだったし貸すよ 」
「 湧さぼるの！？だめだよそれ 」
「 今日最初から出る気なかったし、ちゃんと貸すから安心しろって 」
「 わく〜、いいの？ 」
「 ほーらよっ 」
大きくて湧の匂いのするジャージを持って、更衣室で着替えたあと体育館に走った。
いつもは面倒臭い体育も湧のおかげで特別感を感じて楽しい。
授業が終わって教室に戻ろうとしたとき、風雅と関わり始めた女の子に呼び出された。
「 急にごめん、これだけは言わなきゃいけないって思ったことがあるの 」
「 なに？ 」
「 ふうに好きって言ったでしょ。」
「 なんでそれ知ってるの、 」
「 私もたまたま用具室に物を戻そうとしてたらその話をしてる声が聞こえて… 」
「 そう、なんだ 」
「 でさその後ふうが言ってたんだよね、もうAと話したくないって。」
「 え、 」
「 関わりたくないってさ。だからもう、近づかないであげて？ 」
「 でも 」
「 お願い。ふうのためだから。」
急に仲良くしだしたと思ったら何それ。風雅の呼び方も鼻につく。なんでこんなこと言われなきゃならないの。風雅が直接言えばいいじゃん。何を知ってるの、この子は。
「 わかった。 」
「一つ思ったんだけど、ふうに告白しといて他の男子のジャージ着てるとか意味分からない。好きなんじゃないの？ふうのこと」
「 それは関係ない、 」
「 関係ないとしても他の人から見たら付き合ってるようにしか見えないよ。男好きじゃん。 」
反論できない私は何もせず、それからずっと風雅に関わることはなかった。
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作者名：るいさん | 作成日時：2022年5月15日 0時
