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「 大西くん 」
名前を呼ばれて振り向くと、女子バスケ部の女が立っていた。話したこともない上に名前すらも知らんから少し戸惑った。
「 なんすか 」
「 委員会の仕事しようよ、サボりすぎ 」
「 同じ委員会やったっけ。 」
「 忘れたのー？ひどい 」
仕事が少ないという噂を聞きつけて美化委員に入ったものの、毎週掃除をさせられる始末。確かにそんな気はしてたけどやりたくないしサボっていた。
「 名前なんていうん 」
「 ミヨ。 」
「 みよちゃん、ってよぶわ 」
「 ちゃん付けか。あんまりされたことないから嬉しい 」
笑顔が眩しくて少しドキっとした。モテるんやろな、こういう子。女子バスケ部やから運動も出来るしな。頭も良さそう。
内村とは全く違うわ。だらしないし、運動も頭も悪いし、髪もコロコロ変えて。
あれ、なんで俺比べてるんやろ。
「 みよちゃん！もう終わったで 」
「 ほんとだ、いいじゃん 」
「 帰るかー 」
後ろからの足音が突然止まったのと同時に、みよちゃんは喋りだした。
「 あ、あのさ！風雅くんさ、友達となんかあった？ 」
「 え？ 」
「 いつも一緒にいた女の子、最近別々に行動してるから」
「 知らん。 」
「 変なこと聞いてごめん。 」
「 全然ええけど 」
「 私が友達になるのってあり？ 」
「 あり、 」
「 え！ほんと？ 」
「 ほんま 」
飛び跳ねて喜ぶみよちゃんにほんの少しあざとさを感じた。クラスでひとりぼっちの俺に希望ができたことで、学校に行くのが楽しみになった。
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続く
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作者名：るいさん | 作成日時：2022年5月15日 0時
