ずるくて、いたくて、こじらせて。 (ページ11)

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第二章・一番近くにいた女ページ11

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風雅。いつも俺の名前を呼ぶのはこいつ、内村A。中学からの仲でいつも一緒におる。実は恥ずかしいから名字呼びしてんねん。関わるきっかけは中一の文化祭やった。最初は可愛かったんやけど、仲良くなるうちに兄妹みたいに思えてきて、それ以上に思うことはなかった。

中三の時に俺がAを好きだとかいうデタラメが流れたけど、俺は否定できひんかった。それは好きだからとかちゃうくてAを傷付けたくなかったから。今思えばAには違うって言えばよかったって思ってる。俺はあんなに気使ってたのに、Aは全否定してくるからちょっと悲しかったんは秘密。

高校も一緒で、偶然クラスも同じやったから、ずっと一緒に行動。カップルに間違えられるときもあったから流石に他の友達も作らなあかんと思ってたら、元木湧っていう友達が出来た。

そいつとはよく気が合うし、明るい性格で優しい一面もたまに見せてくれる。これから湧と行動するとなったらAはひとりぼっちになっちゃうから、友達作れって一言。作る予定すらないけど、彼女っていうワードも出して焦らせるように言ってみた。

そのせいやったんか、どんどん俺とAの関係が崩れていった。

いつも通りAと帰ろうとしたら、湧に引っ張られていくAの腕。その行動にある意味が分からなくて一旦静止状態に。とりあえず追いかけようってことで後を追った。

湧が家に帰って、Aが一人になったとき。俺は大きな声で呼んだ。なんのつもりか聞こうとしたのにタイミング悪くAに電話が掛かってきた。その電話の正体も内容もよく分からんけど、電話が終わるとそそくさと走って帰られてしまった。

「なんやねん、」

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