043 Ryo. ページ43
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「どうしよう…」
Aちゃんが図書委員の当番の間、机にぐだあっと項垂れてる瑞稀。
修学旅行で盛大にやらかしたらしく、明らかに避けられてる…とAちゃん不足のようだ。
「何でキスしたの?」
「キ…っ!」
「何照れてんの、自分でしたんでしょ?」
「俺だってしようと思ってた訳じゃねえよ!」
「衝動的に?やっちゃったんだ?修学旅行で?雰囲気に流されて?18年間も?秘めてたのに?その場の流れで?嫉妬心に駆られて?」
「お願いもうやめて…」
もうHPは0みたいで、ちょっと意地悪しすぎちゃったかななんて。
俺が矢花を投入したせいでまさかここまで拗れるとは。
進展すればいいな、と思ってやったのに、そういやこの幼馴染に普通の展開を求めちゃいけないんだった。
「嫌われた…」
「別にキスされたくらいで嫌うような仲じゃなくない?Aちゃんだし?」
「でも!ファ、ファースト…キス…」
「それは瑞稀もじゃん」
「うるせえ!」
「もしかしたら初めてじゃないかも」
「は…っ!?ない、それはない!」
「とは言いきれないじゃん、Aちゃん意外とモテるし」
まぁあの瑞稀の鉄壁ガードの中でAちゃんにキス出来る男がいるならこっちが教えて欲しい。
初めてじゃない訳がないのにこんな意地悪を言うのは、長年振り回されてきた俺の小さな仕返しかもしれない。
「ねえごめんってー、いじめすぎた」
「もう無理Aがいないと無理」
「好きって言ってないんだからAちゃんが混乱するのも無理ないよ」
「で、でも!伝わってるでしょさすがに!」
「考えてみてください?あなたの幼馴染の戌井Aさんですよ?」
あの鈍感天然人たらしが、キスされたくらいで瑞稀は私のこと好きかも!なんて気付く訳ないでしょ、普通じゃないんだから。
瑞稀もそう思ったみたいで、はぁ…と地面にのめり込むんじゃないかってくらいさらに項垂れた。
あはは、いじめすぎちゃったね、ごめん。
…思ってないけど。
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駆凪 - すごく面白いです!!頑張ってください。 (2022年8月17日 0時) (レス) @page50 id: a1142e8383 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - 瑞 彩 * ((( 低浮上さん» ありがとうございます! (2019年12月10日 21時) (レス) id: 4d2e6b700d (このIDを非表示/違反報告)
瑞 彩 * ((( 低浮上 - 面白いです(^_^) (2019年12月10日 18時) (レス) id: 139e318ce4 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - 黒髪少女さん» ありがとうございます(^^) (2019年11月25日 18時) (レス) id: 4d2e6b700d (このIDを非表示/違反報告)
黒髪少女 - カウントダウンで、なんでも口を割ってしまうとかいい!最高!! (2019年11月25日 17時) (レス) id: 895c331d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まれぴゅま | 作成日時:2019年11月13日 20時