002 ページ2
・
産まれた病院も一緒、誕生日は3日違い、家も隣、学校もずっと一緒。
産まれた時から俺らはずっと一緒だった。
「瑞稀とAちゃんと橋本って、毎年同じクラスだよな」
よく言われるセリフ。
みんな奇跡だ、とか、すごいね、って褒めてくるけど、奇跡だなんて言葉で俺の努力を片付けないでほしい。
「アレ、お願いという名の脅迫だからね?」
「人聞き悪いこと言わないでよ」
「だってそうじゃん!明らかに気の弱そうな先生にガン飛ばしちゃってさー。3人同じクラスじゃないと学校辞める、なんて小学生みたいなこと言っちゃって」
「はしもっちゃんは誰と同じクラスなおかげで勉強乗り切れてるんだっけ?」
「そりゃあもう井上瑞稀様ですよ?」
「分かってんじゃん」
「はは、瑞稀くんこわーい」
よく言うよ、思ってもないくせに。
ぼけーっとAを眺めていれば、時間が過ぎるのはあっという間で、授業終了を知らせるチャイムが鳴った。
その瞬間、俺ら2人は即Aの元へ向かって声をかける。
「あ、お疲れ様!」
「Aちゃんバレー上手いんだね?」
「へへ、そっかな。橋本くんもすごかった!シュート決めてるとこ見たよ!」
「まじ?よっしゃ」
…気に食わない。
はしもっちゃんだからといって許さない。
俺の目の前で仲良く会話するとかありえない。
Aがバレー出来ることなんて小学生の頃から知ってたし。
俺だってシュート決めたし。
君は俺を妬かせる天才だと思う。
「あ、ねぇ瑞稀」
「…何」
「3ポイント、かっこよかった!」
「っ、…そ、」
不意打ちに褒められて顔が赤くなるのをぐっと堪える。
はしもっちゃんはおぉ〜なんてニヤニヤしてるけど、俺の身にもなれ。
何だよ、見てたんじゃん。
そうだよ、最初から俺だけ見てればいいんだよ。
君の世界は俺だけでいいんだよ。
・
1722人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
駆凪 - すごく面白いです!!頑張ってください。 (2022年8月17日 0時) (レス) @page50 id: a1142e8383 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - 瑞 彩 * ((( 低浮上さん» ありがとうございます! (2019年12月10日 21時) (レス) id: 4d2e6b700d (このIDを非表示/違反報告)
瑞 彩 * ((( 低浮上 - 面白いです(^_^) (2019年12月10日 18時) (レス) id: 139e318ce4 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - 黒髪少女さん» ありがとうございます(^^) (2019年11月25日 18時) (レス) id: 4d2e6b700d (このIDを非表示/違反報告)
黒髪少女 - カウントダウンで、なんでも口を割ってしまうとかいい!最高!! (2019年11月25日 17時) (レス) id: 895c331d9a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まれぴゅま | 作成日時:2019年11月13日 20時