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結局、あの後瑞稀がすぐに自分の家に戻って行ってから、瑞稀とは顔を合わせていない。
窓も閉めてたし、連絡だってしてないし。
気まずいな、どうしよう、って考え込んでしまったせいで月曜日の朝がいつも以上に憂鬱だった。
それでも学校を休む訳にはいかなくて、お母さんに叩き起こされながら家を出る。
同じクラスだし席も後ろだし、顔を合わせないはずがないよな…なんて思いながら玄関のドアを開けると、そこには制服姿の瑞稀が立っていた。
「おはよ」
「おは…、どうしたの?」
「どうしたのって、いつも一緒に行ってるでしょ?」
Aこそどうしたの?なんてケラケラ笑ってる瑞稀。
ああ…確かに、なんてマヌケな顔をしている私にデコピンして、行くぞなんて腕を引っ張られた。
「A、今日寝坊したでしょ」
「へ、何で?」
「ここ、ちょっと跳ねてるから」
「あ…ほんとだ」
私の髪をサラリと撫でた瑞稀は、その手でそのまま私の手を握る。
覚悟してって言ったでしょ?なんてニヤニヤ笑いながらきゅっと絡められた指に合わせて、胸もきゅっと締まった。
心臓に悪い、本当に。
こんなに慣れてるのに、何で瑞稀に彼女が出来ないんだろう。
顔もいいし、モテるはず…いや、実際モテてるのに。
「18年も片想いしてるんだから、絶対振り向かせるからね」
ああ、彼に彼女が出来ない理由は、きっと私のせいなんだとこの時悟った。
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H・A・F - とってもキュンキュンしました。次の作品が楽しみです。頑張ってください😁 (2022年7月9日 17時) (レス) @page24 id: df48684e0a (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - あすかさん» こちらこそありがとうございました!これからもよろしくお願いします(^^) (2020年4月21日 3時) (レス) id: 17a30211a5 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - めちゃくちゃおもしろかったです!!!ありがとうございました!届けも楽しみにしてますね! (2020年4月21日 2時) (レス) id: 43e5849697 (このIDを非表示/違反報告)
まれぴゅま(プロフ) - みいさん» わ〜!ありがとうございます嬉しいです(;_;)これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 0時) (レス) id: 17a30211a5 (このIDを非表示/違反報告)
みい(プロフ) - コメント失礼します。最後までとてもいい作品で感動しました!!( ; ; )ほんとに私の楽しみって言っていいほどこの作品が大大大大好きでした!! (2020年4月20日 23時) (レス) id: 57d452a263 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まれぴゅま | 作成日時:2020年2月28日 23時