拗らせ症候群。2 Mizuki.I

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久々に目覚まし時計なしで目が覚める。

とはいえ寝てる時間が至福といっても過言ではない俺にとって、睡眠は大切なもので。

どれだけ寝ても寝ても寝足りないけど、今日に限っては重たい瞼を開けるしかなかった。

腕の中に、俺の大好きな人がいたから。

朝起きて目を開けたら好きな人って超幸せだよなぁ、毎日こうならいいのに、なんて思いつつ、あどけない寝顔を見て頬が緩む。









「…可愛い、」









頬をつつきながらそう呟くと、くすぐったそうに俺に擦り寄ってきた。

…どう？俺の天使、可愛いでしょ？

こんな姿誰にも見せたくないし、見せるつもりないけど。









時計をちらりと見ればもう短針が10を指す前で。

さすがに寝すぎかな。

寝顔なんていつでも見れるし、心苦しいけどね。









「A、」

「…………ん」

「起きて」

「んー…」









意外だと言われるだろうが、Aは寝起きが悪い。

いつも俺が起こしてもらう側だから俺すら忘れかけてたけど、そういえばAは朝に弱かった。

頭を撫でても頬をつついても背中をトントン叩いても、Aの目が開かれることはない。









「A〜？そろそろ起きよ？」

「ん…やだ…」

「やだじゃないの。ほら起きて」









目をぎゅっと瞑ってからやっと開いたAの目は、さすがは寝起きというだけあってとろんとしていた。

その目が俺の目を捕らえると、みるみるうちに顔が赤くなって俺の胸元に押し付けられる。









「ふふ、恥ずかしくなっちゃった？」

「…違う」

「じゃあなぁに」

「何でもないもん」









頭を撫でて顔を覗き込めば、もう起きる！と布団から飛び上がった。

照れ隠しが下手な所も、昔から変わらない。









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