# 大きな背中と温もり ページ15
.
阿部「 落ち着いた？」
『 はい、』
先生のくれた水のおかげで
少しマシになってきた咳。
すると先生は立ち上がると、
そのまま私の前に背中を出した。
阿部「 乗れる？」
『 えっ、』
阿部「 この階段きついでしょ？
保健室まで運ぶから、乗って？」
そう言われても
乗る勇気なんて出るはずがない。
体重だって軽いわけじゃないし
あんな上まで運ばせるなんて…。
『 いいです、自分で行けます…！』
そう言って勢いよく立ち上がると、
途端に立ちくらみで身体がよろめく。
阿部「 …っと、危ない。
先生、これでも男だよ？大丈夫だから、ね？」
私の方を支えて
真っ直ぐな瞳でそう言われたら、
もうそれ以上は断れなくて。
『 お願い、…します、』
阿部「 ちゃんと捕まっててね？」
そのまま首に手を回してしがみつくと、
ふわりと身体が宙に浮いた。
.
思ったよりも大きい背中。
そしていつも香っている先生の匂いが
いつにも増して近く感じる。
触れた背中に鼓動が伝わりそうなほど
心臓はドキドキと音を立てて、
少し油断をすれば
過呼吸になりそうなほど息が浅い。
阿部「 よいしょっ、着いた着いた。」
『 ありがとう、ございます、…げほげほっ、』
阿部「 ほら、無理に喋んなくていいから
とりあえず横になろう。」
そのまま保健室に着くなり、
保健室の先生に事情を話すより先に
ベッドに寝かせてくれた阿部先生。
さっきまでしがみ付いていた
背中が離れた瞬間、
一気に寂しさがこみ上げてきた。
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うい(プロフ) - 続き待ってます！ (11月11日 18時) (
レス) @page22 id: 4785f44992 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 一気よみしました。さすが素敵な小説で読みやすくて。続きが早く見たくなりました♪お待ちしております！ (2020年11月11日 6時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
あいりんご - 望穂さんのお話すごく好きで、ずっと読んでます！マイペースで構わないので、更新頑張ってください！ (2020年6月22日 4時) (レス) id: e5c2658398 (このIDを非表示/違反報告)
めい - 望穂さんのお話好きです！こちらこそよろしくお願いします!!^∀^ (2020年5月24日 11時) (レス) id: 730e0168eb (このIDを非表示/違反報告)
美海 - 佑香さん» 望穂さんの書く作品が大好きで、同じ作品を何度も繰り返して読んだりしちゃいます。すんごい大好きです。というか望穂さんのファンです！体調に気をつけてください！長くなってしまい申し訳ありません。とにかく大好きです。そして更新楽しみにしています (2020年5月22日 1時) (レス) id: 75f87f176b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望穂
| 作成日時：2020年5月17日 22時
