拗らせ風邪は恋の始まり《緑》

# 芽生え始めた感情 ページ4

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阿部「 本当に大丈夫？」


『 はい…、すみませんでした、』








結局残りの授業時間は

ほぼ私のせいで消えてしまって、




チャイムが鳴るとすぐに

先生は私のところに戻って来てくれた。








阿部「 いつからしんどかったの？」


『 咳は… 今朝です、…けほけほっ、』


阿部「 ちゃんと病院行った方がいいよ。」


『 はい…っ、』








そのまま休み時間もずっと

そばで話しかけてくれた先生。








最後のホームルームの1時間も

わざわざ自習にしてくれて、




背中をさすり続けてくれた手が

その時は本当に嬉しくて安心した。








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家に帰ってからも食欲は湧かず、




薬を飲んだあと

早々とベッドの中に潜る。








病院行くように言われたけど

2,3日したら慣れてくるし、




そう思って行かなかったんだよね。








そんなことより、

阿部先生のことが頭から離れなくて。








体調悪い時に優しくされると

なんかすっごくキュンとするじゃん？




なんか、…そんな気持ち。








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『 …ほんと優しかったな、阿部先生。』








これまで担任であること以外

ほとんど関わったことがなかったのに、




その日初めて阿部先生に対して

何か分からない感情が生まれた気がする。








明日会ったら心配されるかな？




…してくれたらいいな、なんて

ちょっとメンヘラなこと考えちゃうぐらい。








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目を閉じると今日のことが蘇る。








阿部先生がかけてくれた言葉も、

優しくしてくれたことも全部、




思い出しては嬉しくなって緩む頬。








体調は最悪なはずなのに、




阿部先生に会えると思うと

学校に行くのが少しだけ楽しみだった。

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