＿＿＿＿２５ ページ25
You side.
康「ナイスタイミングですね。」
いや、結構慌てて降りてきたんだけどね。
高鳴る鼓動を落ち着けていると、彼はフッと柔らかい笑みを溢しながら、前髪に手を伸ばした。
「っ、」
康「前髪跳ねとる。」
そう言ってさらっと前髪を整えた。
康「Aさん、今日いつもよりもかわええな。」
「えっ、」
康「なんやろ、髪かな。」
ヤバい、どうしよう、すっごい嬉しい....
ヘアアレンジ頑張って良かった、
康「ほんなら、行きましょか。」
そう言って在来線を乗り継ぎながら向かう先。
通勤ラッシュに巻き込まれた私たちは、ぎゅうぎゅうに壁際に追いやられた。
康「っ、すんません、」
「ん、大丈夫、」
近くて顔が見れない。
『次は、〇〇〜〇〇です。お出口は右側です。』
康「次の駅大きい駅やからちょっとは解放されますね。」
「そうだね。」
読みどおり少しスペースが出来て安心したのも束の間、なだれのように乗車してきた人に押されさっきよりも近い距離に彼を感じる。
私の顔の横には、彼の両手。
康「っ、すみません、！わざとやなくて、！」
慌てながら、言葉に詰まる彼。
「ううん、だ、大丈夫、」
視線が交わったまま、逸らされることもなくジッと見つめられ、喉が詰まるような感覚に襲われる。
「な、なに、？」
声を掛けると、みるみるうちに信じられないくらい顔を真っ赤にしていく彼。
え......
なんでそんな真っ赤なの、
そんな顔されたらこっちまで恥ずかしくなるよ、
康「や、あの、.....あんま見んといてください、恥ずい.....」
顔を逸らしながら言う彼の両手は、未だ横についたまま。
康「Aさんのこと、こんな近くで見たの初めてやから、その....こんな可愛かったかな、って、」
「へ、？」
康「ふわふわしてて可愛らしいし、サイズ感がちょうどええ感じというか、いや....なんでもあらへん。忘れてください、」
どうしよう、
今、腰抜けそう、
忘れられるわけないじゃん、そんなの、
早鐘を打つ鼓動は、おさまる気配がなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1728人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - ちなこさん» コメントありがとうございます！毎日読んでもらえてるんですか....！めちゃめちゃ嬉しいです（ ; ; ）素敵って思ってもらえるように描けてよかったです！ありがとうございます！ (2021年3月29日 20時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - みうさん» コメントありがとうございます！こちらのお話はさくまくんがかなり切ないポジションですよね（ ; ; ）「うわあああ」ってなってもらえてよかったです（ ; ; ） (2021年3月29日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - cleamさんの書かれるお話が好きすぎて1日一回は読んでます！！！こーじくん素敵すぎて惚れ直しました…（） (2021年3月27日 2時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - うわあああさっくん(TT)(TT)ってなりました素敵です(TT)(TT)(TT) (2021年3月26日 16時) (レス) id: 90ad8ea26a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - のびさん» コメントありがとうございます！さくまくんの一途さ感じ取っていただけて嬉しいです◎さくまくんのリクエスト何件かいただいてるので、またいつか出させていただきます＾＾ (2021年1月23日 14時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年1月3日 13時
