昼想い、夜夢む。【橙】

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Daisuke side.









「佐久間は偉いね、」



大「ん？なにが？」



「だって、人の幸せを一番に願える優しいやつ、でしょ？」









酔った彼女は机に顔をつけながら、目を潤ませている。









大「別に俺、優しくなんかないよ。」









苦しい、

ツラい、




お前が悲しむ顔を見る度に、そう思う。





でもそれ以上に、幸せそうな顔してるのを見るのが一番心がズタズタにされるような感覚に襲われる。





好きな子のこと、自分が幸せにしたいって思うに決まってんじゃん。

だけど、お前が見つめてる先にいるのはずっと、俺じゃない。

そのコロコロと変わる表情も全部、想う人は俺じゃないんだよ。









彼女はいつの間にか、目を閉じて静かに寝息を立てていた。


サラリと広がった髪に触れると、長年溜め込んできた想いが溢れ出してしまう。









大「......俺じゃ、ダメなのかよ。」









俺なら、お前にそんな顔させたりしないよ。

だって何でも話してきた仲じゃん。









大「ずっと隣にいた俺のこと、何で男として見てくんないの？

そんなに辛いならやめろよ。



....なぁ、」









俺は拳をグッと握りしめ解き、背もたれに寄りかかりながら大きく溜め息をついた。









大「俺だって、やめられるもんならやめたいよ、」









静かに溢した言葉は、彼女の耳に届くことはなかった。







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