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You side.
康「じゃあ僕こっちなんで！」
大「おー気をつけてなぁ〜」
飲み会もお開きになり、店の前で佐久間が向井くんにヒラヒラと手を振っている。
私はそんな不思議な行動を取る佐久間の隣に立って同じように向井くんに手を振った。
「佐久間。」
大「んぁ？なに？」
「佐久間もあっちじゃん。」
大「んーそうだねぇ。」
「なにしてんの？」
大「んー。」
「向井くんと一緒に帰ればよかったのに。」
大「んーそだねー」
飲み会の終盤から、ずっとこの調子。
私が話し掛けても気もそぞろでまともな返事が返ってこない。
大「まぁ、ちょっと歩こうよ。」
「....？うん、」
よく理解出来ないまま、彼の隣を歩き始めた。
.
暫く歩いても、彼は無言のまま。
私はその沈黙を破るように彼に声を掛けた。
「ねぇ、さくま、」
大「あのさ、」
私の言葉を遮るように口を開いた佐久間は、いつもよりも真剣な表情をしているように見えた。
大「何でこーじに嘘付いたの？」
それが気になって、ずっと黙ってたのか。
佐久間は私が言い繕った言葉が嘘であることを知っている。
彼には過去の色恋沙汰の全てを相談してきたから。
知らないことなんて、一つもない。
....今回の一目惚れの件以外は。
「あはは、嘘だってバレてた？」
わざと笑って誤魔化すけど、彼は相変わらず真剣な表情を崩さない。
「佐久間には黙っていられないなぁ。」
歩きながら足元にある小石を蹴飛ばした。
「あの日ね、転んだだけじゃなくて、アイツにフラれてかなり滅入ってたの。なんかもうどうでも良くなっちゃって、雨の中傘もささないで帰ってたら転んで、力も入らないくらい落ちてた私に向井くんが手を差し伸べてくれたの。
.....多分、一目惚れ、したんだと思うんだよね。
あの時に無条件でくれた優しさがあったかくて、本当に救われたの。」
大「だけど、こーじには彼女が、」
「分かってる。....分かってるから、嘘付いたの、
.....傷付かないように、必死だったから。」
言葉にすると閉じ込めてた時より何倍も苦しくて、眉間に皺が寄る。
「でも、気付いちゃったからさ。」
そう言って力なく笑うと、佐久間は酷く苦しそうな顔をした。
.
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cleam(プロフ) - ちなこさん» コメントありがとうございます！毎日読んでもらえてるんですか....！めちゃめちゃ嬉しいです（ ; ; ）素敵って思ってもらえるように描けてよかったです！ありがとうございます！ (2021年3月29日 20時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - みうさん» コメントありがとうございます！こちらのお話はさくまくんがかなり切ないポジションですよね（ ; ; ）「うわあああ」ってなってもらえてよかったです（ ; ; ） (2021年3月29日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - cleamさんの書かれるお話が好きすぎて1日一回は読んでます！！！こーじくん素敵すぎて惚れ直しました…（） (2021年3月27日 2時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - うわあああさっくん(TT)(TT)ってなりました素敵です(TT)(TT)(TT) (2021年3月26日 16時) (レス) id: 90ad8ea26a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - のびさん» コメントありがとうございます！さくまくんの一途さ感じ取っていただけて嬉しいです◎さくまくんのリクエスト何件かいただいてるので、またいつか出させていただきます＾＾ (2021年1月23日 14時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2021年1月3日 13時
