＿＿＿＿３５ ページ35
You side.
走る足音が聞こえる。
さっき佐久間が見つめていた、背中の方から。
康「っ、はぁ、Aさん、」
「向井くん、」
康「はぁ、はぁ、ちょ、ちょっと待って、」
息を整えようとする彼。
走って、来てくれたの、？
何で、？
康「伝えたいことがあって、」
はぁっと大きく息を吐いた後、視線を交わらせた。
康「俺、一花と、」
「やだ、」
康「えっ、」
「行かないで、」
驚いた表情をして固まった彼。
「その子のとこ行かないで。もうあんな風に苦しい思いしてる姿なんて見たくない。好きだから、向井くんの悲しそうな顔なんて見たくな、っ、」
急に視界が真っ暗になり、サボン系の香りが鼻を掠めた。
「えっ、」
康「ごめんなさい、可愛すぎて....ぎゅーしてもうた、」
パッと私を離した彼は顔を真っ赤にして照れ隠しに口元を隠した。
康「違うんです。あの、ちゃんと、終わらせてきました。」
「終わらせた、って、」
康「ヨリを戻したいって言われたけど、断ってきました。好きな人がおるから、無理やって、」
「好きな、人、？」
康「俺も、Aさんのことが好き。」
その言葉を聞いた瞬間、ぶわっと風に吹かれたような感覚に襲われる。
康「落ち込んでる時、側におってくれたAさんが本当に支えになってた。こんなええ先輩に出会えて幸せやって。」
違う、そんな綺麗なものじゃない。
経験豊富でも、頼れる先輩でもないの。
ただ、私はずっと、
康「優しくて、可愛くて、一緒におるとあったかい気持ちになれる。
気付いたら、好きやったんです。」
真っ直ぐに見つめられた瞳は熱く、心拍数が加速して息がしづらくなる。
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cleam(プロフ) - ちなこさん» コメントありがとうございます！毎日読んでもらえてるんですか....！めちゃめちゃ嬉しいです（ ; ; ）素敵って思ってもらえるように描けてよかったです！ありがとうございます！ (2021年3月29日 20時) (
レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - みうさん» コメントありがとうございます！こちらのお話はさくまくんがかなり切ないポジションですよね（ ; ; ）「うわあああ」ってなってもらえてよかったです（ ; ; ） (2021年3月29日 20時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
ちなこ(プロフ) - cleamさんの書かれるお話が好きすぎて1日一回は読んでます！！！こーじくん素敵すぎて惚れ直しました…（） (2021年3月27日 2時) (レス) id: 3adce2c6d7 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - うわあああさっくん(TT)(TT)ってなりました素敵です(TT)(TT)(TT) (2021年3月26日 16時) (レス) id: 90ad8ea26a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - のびさん» コメントありがとうございます！さくまくんの一途さ感じ取っていただけて嬉しいです◎さくまくんのリクエスト何件かいただいてるので、またいつか出させていただきます＾＾ (2021年1月23日 14時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cleam
| 作成日時：2021年1月3日 13時
