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諦めて帰るしかないと俯くと、カチャとゆっくり開いて、
｢あっ、こーじさっ……！｣
顔を上げると私を見下ろしていたのはこーじさんじゃなくて、この間の綺麗な女の人だった。
え、なんで……？
どうしてこの人がこーじさんの部屋から出てくるの？
｢あら、あなたは……｣
肩がビクッと揺れて、どうしよって俯いた。
｢確か康二とこの前お祭りにいた子よね？ 何か用事？｣
お姉さんがこてっと首を傾げるけど、何て言えばいいかわからない。
どうしよどうしよと、気ばかり焦る。
こーじさんの部屋から出てくるって、そういう関係ってこと？
嫌な想像に泣きたくなってくる。
そんなこととは知らず、お姉さんは｢あっ、もしかしてお見舞い？｣と聞いてきた。
小さく頷いた私を見て、お姉さんはドアを開けっ放しのまま部屋に戻って行く。
｢……で……うん……｣
部屋の奥でこーじさん事情を伝える会話が、箇所箇所で聞き取れた。
それも妙にリアルでズキっと心が抉られる。
こんな状況なんて予想してなくて、だからきっと今の私めちゃくちゃ酷い顔をしてる。
ギシッと廊下が軋む音に、唇が震えるほど緊張して。
｢…Aちゃん｣
逃げ出していた。
マンションから出ると大雨に見舞われた。
ビシビシと頬に雨が突き刺さる痛みよりも、心の方がよっぽど痛い。
彼女……なのかもしれない。
あの人はこーじさんの看病をしていたんだろう。てっきりこーじさんは一人で苦しんでると思ってた。
だから役に立たなくても、側にいたくて来てしまった。勢いのままに。
でもよく考えたらしんどい時に役に立たない私が行けば、ますますしんどい思いをさせるわけで、なにやってんだろう私は。
身体を壊しているこーじさんの側には、あんなに綺麗で私なんかより余裕たっぷりそうな大人のお姉さんが居てくれる。大丈夫に決まってる。
私なんて居なくても、
｢…っ…｣
頬に伝うものが、雨なのか涙なのかわからない。
瞼を閉じて全身を雨に打たれたら、このまま今日の気持ちごと洗い流してくれないかなと思う。
こーじさんに確かめる勇気もないのに、私は突然の失恋宣告に耐えられないってその場にしゃがみ込む。
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ゆきんこ(プロフ) - kazuさん» ありがとうございます😌 そう言ってもらえると良かったです😊 (2022年4月8日 19時) (
レス) id: f3f7d31748 (このIDを非表示/違反報告)
kazu(プロフ) - 社会人×学生、キュンキュンしました！🧡らしさがすごく良くでてましたね！ (2022年4月8日 19時) (レス) id: 889c8d30f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - みぃ。さん» みぃ。さん!!最後まで読んでくださりありがとうございます😌彼でお話しなかなか書けないのでリメイクといえど書けて良かったです😆ありがとうございました😊 (2022年4月2日 8時) (レス) id: f3f7d31748 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - 完結おめでとうございますっ！もうこの🧡さん好きです！リメイク、🧡さんにしてくれてありがとうございます！キュンキュンしました☺️ (2022年4月1日 12時) (レス) @page45 id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ayaさん» ayaさん！コメントありがとうございます😊 🧡くんらしいと言ってもらえて嬉しいです！良かったぁ。年上さんとの恋憧れますよねぇ😌 (2022年3月30日 20時) (レス) id: f3f7d31748 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年3月22日 16時
