30までには結婚したいと言ったら (ページ46)

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五条悟視点

アイツが高専をやめたって事は聞かされてなかった。夜蛾先生でも割と最近知ったらしい。

んで今は二人揃って休みの日に一緒にお出かけしない？と誘われちょっと調子に乗りながら集合場所に到着した。

『…待った？』

「…今来たとこ」

『…今のカレカノっぽかったな』

「っ！」

意識しないようにしてたのにさらっと言うもんだから少し動揺する。

『にしても悟の格好…』

「な、んだよ…変？」

わざわざ硝子に頼んで(買収)コイツの好み寄りにしたんだよ。

『変じゃないよ。かっこいいね』

「…お前も…似合ってる」

『そ、そう？』

少し照れた様にその場で俺にふわりと回って見せるといつもと違った匂いがした。

「シトラスじゃねぇの？」

何気なく聞いてみればまたまた照れた様に『そんなに臭かった？』と言ってたので「全然」と返す。

「臭かったとかじゃなくて…お前と言えば、みたいな所あったから」

今日はラズベリーみたいな匂いがした。

『…悟が好きって…好意を寄せてくれてるって…気が付いたから私なりに向き合ってみた…結果…デス』

「…」

言ってて恥ずかしくなったのか指先まで真っ赤な手で顔を覆った。その熱は俺にも移ってしまった。

「好きなんだけど」

『…聞いたよそれは…もう』

パタパタと手で扇ぐ。9月の終わり頃、肌寒くなってる季節にも関わらず俺らの周りだけはなんだか暑かった。