30までには結婚したいと言ったら (ページ31)

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『我儘…』

『不躾ですがどのように断られたか聞いてもよろしいでしょうか』

「…貴方が別れると言ってくれるのなら」

『約束します』

約束するしか無かった。だってじゃあ…

「普通に面倒だと断られました」

『そう…ですか…』

「約束は守ってくれますよね。貴方、呪術師ですもの」

今日は帰りますからと和歌さんは席を立った。

今までプレゼントやデートとかそんな話は形でも恋人を努めようとしていた悟の思惑だと思ってた。

人の枷になるのはあんまり好きじゃないから自分から恋人らしい事はやらないと宣言した。

『悟いる？』

「悟？今任務で外出中だよ」

『あ、あのさ傑…勘違いだったら恥ずかしいんだけど…悟って私の事好き…だったの？』

「ブフッ！！」

徐ろに傑は吹き出した。そして少し噎せた後大笑いした。

「本当に気が付いてなかったの！？あははっ！てっきり振り回してた悪戯っ子かと思ってたのに…！」

『だ、いや…だってさ…普通好きな人に婚姻届なんて渡さなくない？』

面倒かもしれないけど普通に告白したり好きだと伝えて自然とくっつくならわかるけど、真顔で婚姻届渡されたら…

しかも本当にお見合いの断る口実だと思ってたし…

「…そこまでお馬鹿だとは…悟可哀想に」

『可哀想って言った顔してないよ』

ニコニコと嬉しそうに笑っていた。

「で、どうしてそんな鈍感さんが今更気が付いたのかな？」

『私のお客様が悟のお見合い相手だったらしく…』

「その服であったのかい！？っ！駄目だ…面白いが渋滞してて…ちょっとまってね…」

黒生地で真ん中にNEKOと書かれたダサTシャツ。相手を知ってたらちゃんと制服で行ったよ。