今日…僕は恋をした Part.８ (ページ31)

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３１１：ヤキモチページ31

両親への挨拶も無事に済み…

今日から潤くんのドラマが始まる。

今回のドラマの内容を聞いてから…

…と…言うか会社で原作を知ってる女の子達が内容なんかを話してたのが勝手に耳に入ってきた。

『生で歌うから絶対見て？』

って言われたから、その前の歌番組はしっかり見てたけど…その内容からドラマは見るつもりはなかった。

仕事だってわかってるけど、やっぱり…彼氏の自分以外とのキスシーンは見たくない。

…でもコックさん姿の潤くんを一目見たくて…怖いモノ見たさじゃないけど、そのままチャンネルを変えなかった。

早朝から深夜まで頑張ってる潤くんには申し訳ないけど、雑誌を見ながらチラチラ程度にテレビを見てた。

………うん…やっぱ見なきゃよかった…。

予告までしっかり見てしまった私。

テレビを消して、雑誌をソファに投げる様に置くと、お風呂に向かった。

お気に入り入浴剤をたっぷり入れて気持ちを落ち着かせる。

こんな私…バカみたい…。
潤くんは仕事で演技をしてるってわかってるじゃない…。

けど、いいコで割り切れない私は…子供過ぎる。

この間の映画の時も、明日美に見せられた過去の映画やドラマもキスシーンやベットシーンはあって、その時はきちんと割り切れた私だったのに…。

膝を抱えて頭を乗せた。

旦那さんにしようって人の仕事を認めて、尊敬してあげられない私は…幼稚で情けない。

自分の情けなさに涙がじんわり目から溢れて、乳白色のお湯と混じる。

その様子をジッと見てて…。

「A？俺も一緒いい？」

すりガラスの向こう側に潤くんのシルエット。

あぁ…歌番組終わってそのまま帰って来たのかな…いつもより早い潤くんの帰宅。

ここの所、深夜帰宅の潤くんとはすれ違いで、普段だったら喜んでたはずなのに、こんな私は見せたくない。

「ん～…アレだから…ごめん。」

最もらしい言い訳…。

…だったはず…。

なのに…。

引戸がガラッと乱暴に開けられて、服を着たままの潤くんが眉間にシワを寄せて厳しい顔で私を見据えた。

「…どうして嘘言った？どうして泣いてる？」

「う、嘘でもないし、泣いてなんかないよ。」

私がそう言うと更に眉間にシワが寄って。
潤くんの真っ直ぐな目に見つめられると、全て見透かされそうで、咄嗟に逸らした。

「…そうか…ならいい。」

そう言うと潤くんが引戸を閉めたから、『はぁー』とため息をついて再び膝に額を乗せた。